Collabo 2 ため息をつきたい日々だよ、ほんとに
アリアスが私の部屋から出て行ったあと少しして、レベッカが紅茶を持って部屋に入ってきた。
「ま~た変な役回りだよ」
「アリアスも大変だよね。こうもクラシアに振り回されると」
「私に振り回されるよりましだろ。とりあえず、明日の昼はクラシアの私邸か。気が乗らんな」
「向こうから来てくれたら、私らもしょうがないか。って思ってしまうけど、まぁ、こればかりはしょうがないね。エルもかなりの量の仕事を抱え込んでいるけど、クラシアも相当ため込んでいそうだもんね」
「そうなんだよなぁ。私の分をクラシアが肩代わりすると言っても、口下手で交渉下手なあいつが外交をうまくまとめられるとは思ってないから、そっちの方でも足を引っ張りそうなんだよな。……はぁ。なんでこう面倒ごとに巻き込まれるかな。まぁ、とりあえず、今日の分の仕事は終わらせるか」
それだけレベッカと話すと、執務室に戻り、自分の仕事を再開させる。
それと同時に、レベッカがイルに言って、紅茶を入れてもらったのか、「お疲れ様」とだけ言って持ってきた。
「すまないな。イルもアリンも休憩に入ったか?」
「そうだね。サイさんはちょっとわかんないけど」
「そうか。私邸で仕事をするのも楽なんだが、官邸に出向くのが面倒に思えてしまうな」
「こんな生活を続けてしまったらね。でも、少し減ったんじゃない?とはいえ、まだかなり多いけど」
「多少は減ったさ。それでも、昔に比べてなんとか通そうとする頑張りが書類に見えてしまう上に、その手口が巧妙になってきているから、一件一件、見る時間がより長くなったよ。慎重に見ないといけないんだから。ほんと、厄介だぜ、これ」
「とはいえ、ごく稀に国民にとって利益になる議案もあるから、適当にもできないんでしょ?」
「まさにその通りだよ。紛れ込んでいるのがまた厄介で鬱陶しいと思ってしまうよな」
得最国家じゃない分、こういった聞き取りのこえが必要なのもわかっている。だけど、こうもめちゃくちゃにされると、独裁国家にしてやろうか。なんて思ってしまうときがたまにある。
「はぁあ、やってらんないよ、こんな仕事」
「エル、そんなことを言っている間にそろそろ会食の準備をしないと、今日、海外の要人と食事会でしょ?」
あぁ、そうだ。それもあるんだ。もう、なんていうか、ものすごく大きなため息を思い切りつきたい気分。
「なんでこうもクラシアは交渉下手なんだろうな。そうじゃなかったら、私は今頃こんなに忙しくないだろうに」
「泣き言を言ってもしょうがないよ。そういう運命だったんだって。まぁ、ここまで生き残るとは思ってなかったけど」
まぁ、今は命があるだけマシと思うのが一番か。
……今でも命を狙われるのは変わってないけど。
「これ、戦闘服で言っても問題ないか?」
「関係が良好な国と戦争をする気?うちらの戦闘服に身を包んだら、闘争心むき出しになるし、模造刀を持っても、エルはその模造刀すら引き抜いて立ち向かいそうなんだよな。だからダメ。気が進まないのはわかっているけど、せめて公務服で。それか晩餐会用のドレスで」
ど、ドレス……。この世で一番私が苦手なものだ。
あんな目が痛くなるほどキラキラしたものに身を包むのが一番の苦手にしているのに、レベッカはなんてものを薦めてくるんだ……。
「こ、公務服で勘弁してくれ。ドレスなんて着てしまったら、副首長としての威厳が無くなる」
「そこまではいかないと思うけど、まぁ、エルの性格上、ドレスは一番ありえないと思って、すでにアリンさんに言って、公務服を準備してもらってるよ」
「お、お前もクラシアやアリアスに似てきて、用意周到になってきたな」
「まぁ、2年近くエルの元で秘書兼メイドとして育ててもらってるからね。それに、エルとはもう、かなり長いこと一緒にいるから、性格もわかっているつもりだしさ」
「何とでも言え。もう、私はお前にかなわないよ」
正直、いろいろ人生が変わったとはっきり言い切っていいと思う。でも、これも私が選んだ道だ。全部、やり切るしかなさそうだな。
そんなことを思いながら、レベッカが用意してくれた公務服に身を包み、レベッカが手配してくれた車に乗り込む。
こんな役職ながら、いつも乗る軽自動車だと格好がつかない。報道記者の目を欺くには最適なやり方なんだが、やはり、こういう役職が揃う晩さん会にはそういうわけにもいかない。
さすがに、威厳と言うものを見せないと他国から舐められるわけだし、正直、私の好みじゃないが、威厳のため、公用車で移動する。




