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比翼連理
反乱が起きた。余のせいである。
運命の伴侶にうつつを抜かし、政務を疎かにして、側室を蔑ろにするばかりか、彼女の親族を官職に起用した。
反乱軍は城を取り囲んでいたが、余は夜のうちに数人の供を連れて逃げ出していた。
矛先が向くのは余だけでいい。
その凶刃を受ける覚悟はできていた。
しかし、その矛先は元より余に向いてはいなかったのだ。
伴侶が討たれたと聞いたのは、反乱が治まった数刻後のことだった。
余は王に戻った。形ばかりの王に。魂の抜けたように、何も手につかぬ。
空いた体にあるのは贖罪と後悔と、もう一つ。
恨みごとの一つでも聞いてやろうと伴侶の魂を呼びつけた。
「私たちは比翼の鳥でした。あるいは連理の枝。愛した過去に変わりはありません」
なんと満ち足りた言葉であろうか!
余は毒入りの杯を煽り、彼女の手を引いて空へと駆け出した。




