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空を鎖す
空は一つで、太陽は二つだった。だから太陽はいつも喧嘩をしていた。
ある時わたしは二人に言った。
「空も二つにすればいいじゃない」
太陽は妙案だとでも言うように爛々と輝いて、空を二つに割ってしまった。
二つの空を区別するために、昼と夜と呼ぶようになった。
昼の太陽は相変わらず空を泳いでいた。
夜の太陽は大小砕けて、月や星と呼ばれるようにもなった。
私は夜に居座ることが多かった。
小さくなった陽の光では及ばない、真黒な空が心地よかったのだ。
してやったりとさえ思って得意気だったのだ。
ざまあみろと唾を吐くほど憎たらしかったのだ。
真っ二つにされた空の気持ちなんてわたしは知らない。
だってあなたは何も話してくれないんだもの。




