79/100
あなたを照らさない光に意味はない
太陽に愛された人。
凱旋パレードで一目見た勇者さまの第一印象がそれでした。
みんなは口々に言います。
魔物の脅威から人々を守る人類の希望だと。
魔王という世界の闇と対を為す光であると。
本当は違うのです。勇者さまが世界に照らされているのです。
その光があまりに強大で広大なので、まるで彼自身が光であるかのように錯覚してしまうのです。
私たちは、勇者さまを照らす光のおこぼれに与っているだけでした。
世界は明るいのだと勘違いをしていたのでした。
私たちはすべからくその影であり、闇でした。
でも、影が濃くなれば、闇が深くなれば、光の強さが増すのです。
私たちはただ、世界の引き立て役でしかないのでした。




