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不透明な未来
僕には特殊能力がある。
それはメガネを掛けている間だけ、少し先の未来が見えるというものだ。
テスト問題を見て満点を取った。
いじめられる未来を変えた。
宝くじで五等を当てた。
都合のいい未来を選択してきた。
見たくないモノもたくさん見てきた。
……誰にもバレないように。
だから、
「それで、私との未来はどうでした?」
「いや、その……」
彼女との未来が見えなくなったことに動揺して、僕の力を教えることになってしまった。
「レンズは透明なのに先行きは不透明なんですね」
微笑む彼女との最後がこれだったと知ったのは翌日のことだった。
役立たず。メガネを投げ捨てる勇気すらない。
僕の能力は未来が見えるだけ。
声は、聞こえないのだ。




