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夜間飛行
「空は俺の庭だ」
俺に飛行訓練を施したブライアンがそう言ったのは、初めての夜間飛行訓練の時だった。
「そんでお前は犬だ」
「ワン!」
ブライアンはユーモアの利いたことを言いたいときにこちらが全力でノッてあげると評価が甘くなるのだ。しかし、今日ばかりは違った。
「真面目に聞け」
「あ、はい」
頭を叩かれ姿勢を正した。
「お前は俺の庭で俺が投げたボールを拾って戻ってくるだけでいい」
「つまり、死ぬなってこと?」
「死んでも楽しめってことだ」
恥ずかしそうに言ったブライアンは「取ってこい」言って空に指を差し、俺の背中を大げさに叩いた。
俺はその空目掛けて飛び立った。




