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脱法トイレ
家のトイレの鍵が閉まっていた。もちろん内鍵である。
まさか、と思いながらコンコンとノックをした。
「誰か入ってますか」
「はい」
困惑したような女性の声が返ってきた。
ぶるりと体が震える。
「あの、入っていいですか」
「……はっ? いいわけねぇだろ」
「あ、っすよね」
それもそうかと改めたが、よくよく考えてみると「なぜ?」と疑問が浮かぶ。
……どこかに隠れた方がいいだろうか。
いや、いったん外に出るべきか?
でも、尿意が限界に近い。
近場にはこの家以外にトイレはない。
だからと言って立ちションというのも気が咎める。
溜め息をひとつ吐く。
仕方がない。
俺は風呂で用を足した。




