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迸る退屈
水から上がってゴーグルを外した。
「先輩自己ベストですよ!」
駆け寄ってきた後輩が満足そうに言った。
「来週の県大会は余裕ですね」
「当たり前でしょ、標準超えて全国行くんだから」
そう。あたりまえ。
辛酸をなめた去年の秋大会の雪辱をはらさないといけない。
まあ、辛酸を味わえるほど肥えた舌を持ってはいないんだけど。
「このあとはどうします?」
「今日はもう上がろうかな」
「じゃあ片付けやっときますね」
「ありがと。それと、付き合わせてごめんね」
逃げるようにシャワー室へと入る。
バルブを捻って、私を伝った水が排水溝へと流れていった。
シャワーに打たれながら、見上げた天井にため息を吐く。
——つまんない。




