67/100
対流
学校の外周を走りながらふと、後ろを振り返ってみると誰もいない。
少なくともスタートは同じだったと思う。
坂を上って、白線とガードレールに挟まれながら、夜を待つ街灯の下に影を落とし、正門へと帰ってきてもなお、部員の姿はどこにも見えない。
もう一周行こうか。そう思ったとき、声がした。
「あいつうざくね」
「分かる真面目すぎ」
「熱血系なんて流行ってねーって」
「こっちは楽して遊べりゃそれでいいのにさ」
「ほんと、ついていくこっちの身になれよってな」
「ついてくって、誰も走ってねーけどな」
笑い声が聞こえてくる。
後ろを振り返ってみても誰もいない。
……。
もう一周しよう。
ゴールはまだ見えてすらいない。




