65/100
渦中の粟
手を取るやや子はみな化物だった。
一度目は泥のような不定形が落ち溶け消えた。
二度目は四足の獣が自らの重みに耐えきれず骨が砕けて死んだ。
三度目は人の形をしていたが、藻が生え種が芽吹き茎が伸びて樹木になった。
子が欲しい。それだけなのに、それすらも天が我らを試しているとでも言うのか。
私は誓いを改めることにした。
趣向を変え、妻の下へ通うことにした。
ぐるぐるとかき混ぜられた渦の中に粟を一つ落とした。
輪廻に囚われた一匙の魂が渦の中心を渡って顕現する。
そうして生まれたやや子は三度と劣らぬ化物で、その異形を私はぎゅっと抱きしめた。
神に愛されることを拒まれたのならせめて、私が愛すと誓ったのだから。




