63/100
B5の彼女
「A4ってでかい顔しすぎじゃない?」
梱包されたコピー用紙の束を抱えた彼女が言った。
B5がちょうどいいと思っている彼女にとって、一般的に標準サイズとして認定されているA4用紙が気に食わないらしい。
「カバンとかリュックとか、ファイルも忖度しすぎでしょ」
「大は小を兼ねるって言うし多少はね」
「そうだけど、効率とか合理とか損得の話じゃなくてさ。敬意が足りないじゃん」
どうやらかなりご立腹らしい。きっと、先ほどの会議の内容と結果が気に食わなかったのだろう。
配属以来、雑用の合間に愚痴を聞いて宥めるのが俺の役割になりつつあった。
「でも、B5の方が大事にされてる感があるよ」
「たしかに。発想だね、それ」
彼女はコピー機にA4の紙束をセットした。




