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いまひとたびの⑥
少し遅れると連絡があったのは、待ち合わせ時刻が過ぎてから十分後のことだった。
チケットは事前に取っていたし、時間を潰す場所もない上に、カップルだらけの中で待つというのは肩身が狭い。
券売機の前にできた長蛇の列は、その待ち時間すら楽しんでいた。現地集合にしたことも含めて、少し、後悔した。
バスから降りて駆け寄ってきた彼女は、差し込む夕日に映える髪色に変わっていた。
「そう、オレンジブラウンにしたの」
「かわいい」
はにかむ彼女の手を取って入場ゲートをくぐった。
夜気を吸い込む空を飾るように、園内のイルミネーションは彩りを強めていく。
「暖色が好き」と言った彼女は、青と緑に彩られた水面の星を背に写真を撮ろうと言った。
「ご飯どうする?」
「どこも混んでるね」
「外でもよければ案内するよ」
「任せました」
俺たちはロープウェイに乗って園を抜け出し、少し遅い夜ご飯を食べて別れた。




