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殺し屋さーど
第一声は「ごめん」だった。私は「またか」と天を仰いだ。
今回はターゲットと間違えて無関係な一般人を殺してしまったらしい。
ギリギリと奥歯を噛んで拳を握り、長く息を吐く。
モニターに飛んでいきそうな拳を必死に堪え、関係各所に指令を飛ばす。
飛行機を落とし、ビルでドミノ倒しを始めたときよりはずっとましだ。
頭の片隅ではこの程度で済んでよかったとほっとしている自分が恐ろしい。
というかこれで何度目よ。
腕はいいのに、任務の達成率もいいのに。
それ以上のトラブルを毎度用意している。
毎日が誕生日でサプライズだ。
なんて愚痴はもう言い飽きた。
お説教をしたところで耳にタコができたのは私の方だ。
通話越しに言い訳がましい弁明と野次が飛んでくる。
「他人の空似だった」
「他人のソラニン?」
「色素の音!」
「それはメラニン」
「「「ぎゃははははは」」」
もうやだこの職場。




