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迷子
きれいな女性の横顔を目で追って、気が付いたら知らない場所にいた。
閑静な住宅街は赤茶けた砂の舞う荒涼としたサバンナに変わっている。
「あれ、さっきのお兄さんじゃん」
おろおろしているところに後ろから声がかかった。振り向くとさっきの女性が立っていた。
「ふんふん、迷子かな」
俺の周りをぐるりと回りながらじろじろと眺めたその女性が再び正面に立った。
吸い込まれそうなほどきれいな目に俺が映っていた。
「なーんだ、迷子になってるの目だけか。ざんねん」
女性は手を伸ばし、俺の目に指を入れた。
激痛が走って、気が付いたら元の世界に帰ってきていた。
「じゃ、これは手数料ね」
耳元でした女性の気配が消えるのと同時に、何も見えなくなった。




