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招かれざる者
「ただいまぁ」
不法移民強制送還反対デモから直帰して、誰もいない家に帰りを告げる。
ドアを開け、リビングに出ると知らないおじさんがソファでくつろいでいた。
目を瞬かせ、声も出ず、カバンを床に落とした。
——だれ? 不法侵入。オートロックなのに。警察に通報。いやまず逃げないと。
「おう今日からよろしくな」
私に気付いて顔を向けたおじさんは、テーブルに食べかけのプリンを置き、テレビはつけっぱなしで、充電しながらスマホをいじっている。よく見れば髪は濡れているし、元カレのシャツも着ていた。
「なに、してるんですか」
「あ? 熊駆除クレーム入れたやつに熊を送り届けたようなもんだよ」
さも当たり前みたいに言ったおじさんは屁をこいた。




