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吟遊賛歌
食べることが好き。
みんな笑顔になれるから。
歌うことがことが好き。
みんな前を向けるようになるから。
だから私は吟遊詩人になりました。
いろんな街や村に行って、みんなと一緒に笑い合っていました。
私は魔女だと言われました。
楽器を取り上げられ、牢屋に繋がれ、尋問の日々。
ごはんは一日一回、カビたパン一つ。
歌を歌おうものなら、それが鼻歌であっても、裸にされて、鞭で打たれ、殴られ、焼かれました。
数日が過ぎました。
十日くらいが経ちました。
一か月は優に超え、季節が巡りました。
生きて牢に繋がれているのは私だけになりました。
許可が下りたとかなんとかで、私は釈放されました。
街はすっかり笑顔を忘れてしまっていました。
私は楽器を持って歌いながら街を歩きました。
少しだけ、活気がよみがえったような気がします。
どうやら私は、魔女でした。




