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止揚
あの時より始まった罪から逃れる方法を私はずっと探していた。
私たちは新しい街へと赴き、神の教えを説いて回った。
民家の一軒一軒を訪ねて説いた。
人通りの多い場所で演説を行った。
講堂を借りて、聴衆を集めて公演を行った。
神の教えは瞬く間に民衆へ広がった。
その裏では相次ぐ不審死の噂も回っていた。
信じる者だけが救われる。
その街には神の教えが十分に浸透した。
次の街へと赴き、同様に教えを説いて回った。
次の街も、またその次の街も。
信じるモノたちは増え続け、一つの国が神の、否、私の教えを信じるに至ったのだ。
民衆の中には私を神と同一視する者さえ表れていた。
私はついに神へと至った!
罪から逃れる唯一の方法、それは神になることであった。




