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0↔100の走馬灯
ごめんなさい。
コンクリートの縁を足の指で掴む。
眼下に校舎の入り口が見えて、胸がキュッと苦しくなった。
上から下に吹く風に頭を押された。姿勢を崩した私は、網のフェンスの隙間から命綱だった指を離した。
落ちる。落ちていく。落ちてしまう。
——ごめんなさい。
逆さまになった授業中の教室が、まるで走馬灯のようにゆっくりと流れていく。
一人の生徒と目が合った。
まだ何も、何一つ、認識の追いついていないといった滑稽な表情を浮かべている。
はは、ざまあみろ。
腐ったみかんの潰れる音を他人事に聞いて、悲鳴が遠のいていく。
痛くはない。怖くもない。辛いことなど何一つない。
ただ、お母さんを一人にしてしまう以外には。




