表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/100

通行料

 小さな子どもというのは境界が曖昧で、しかも簡単に飛び越えてしまう。

 ユイはくろすけを追いかけて行ってしまった。

 後を追おうにも、私だけではもう越えられない。

 路地から二又の斑猫が顔を出した。おいでと私を呼んでいるみたいだ。

「ごめんなさい」

 私はむくむくと大きくなった斑猫の背に飛び乗った。

 ぐんと風を感じて目を瞑り、次の瞬間には景色が変わっていた。

「ユイ!」

 立ち止まる斑猫の先に、くろすけを楽しそうに追いかける背を見つけた。

 ここじゃダメだ。

 これ以上は行ってはいけない、と警鐘が頭蓋を割る。

 でも——。

「おねがい」

 背をぽんと叩いた意図を汲んで、斑猫がユイの目の前で私を下ろした。

「あーちゃん!」

「ご飯の時間だよ」

「うん!」

 くろすけを両手で掴んだユイを私の代わりに斑猫の背に乗せた。

 ごめんなさい。

 走り去るその背を見送ることしか私にはできなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ