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いまひとたびの③
イルミネーションが見たいとデートに誘った。
腕時計を見れば十分の遅刻だ。
バスの中はカップルだらけだし、余計に心地が悪い。
遊園地の入り口に肩身を狭そうにした彼が立っていて、私は思わず小走りで駆け寄った。
彼は私に気が付くと、パッと微笑んで小さく手を振った。
「遅れてごめん」
「その分下調べはバッチリ」
笑顔でそう言う彼はもうチケットまで取っていた。
ズキリ、と胸が痛んで「いくらだった?」財布を出した。
「今日は俺の奢りってことで」
彼は財布を戻させ、「行こ」代わりに私の手を取った。
……私って、こんなにちょろかったっけ?
イルミネーションはキレイで、写真もいっぱい撮って、歩くだけでも楽しくて。
ただ、一つだけ不満もあって、それが顔に出ていたのだろう。
「来年はアトラクションにも乗ろう」
ああほんとに。彼の隣は心臓に悪い。




