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苔の生えた亀

 一匹の亀が悠々と世界を泳いでいました。

 なにの当てもなく、また使命もありません。

 生物としての本能と自我をさえ捨て去り、ただそこに存在しているだけでした。

 しかして時は経つものです。

 亀の体は次第に大きくなり、藻が絡み、陽の光を浴びた甲羅に苔が生えました。

 潮の満ち引きが止まらぬように、その変遷は際限というものを知りません。

 亀はいよいよ一つの大陸と言って遜色のないほどにまで成長しました。

 亀の甲羅の上は、休んだ鳥たちの落とした木の実によって木々が芽吹きました。

 それは森となり、生まれた小さな生き物たちが繁殖し、大陸と間違えた動物たちがやってきて、亀は彼らの大地と化したのです。

 亀は動くことを止めました。

 成長することを止めました。

 目を閉じ呼吸を止めました。

 己が使命と悟ったのでした。

 しかして時は経つものです。

 亀の大地はなおもまだ——。

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