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期待は熱意を越えない
ガソリンの入ったポリタンクの中身をバケツに注ぎ、部屋中の至る所でぶちまけた。
一度やってみたかったのだ。
壁、床、天井、押し入れ、ロフト、トイレに風呂と、自分。
この状態で火を点けたら?
一斉に、きれいに、余すことなく、炎は燃やしてくれるだろうか。
あるいは爆発するかも。
ああ、すっごくワクワクしてきた。
取っててよかった危険物の乙種四類!
ライターのスイッチに掛けた親指が小さく震える。
呼吸はまだ乱れている。
涙が止まらない。
笑みがこぼれた。
ぼっ、とライターの火が点いて。
目に映る全てに炎が回る。
思っていたよりずっと炎は熱い。痛い。苦しい。
けれどまあ、うん。
こんなものか。




