表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第2章
39/40

決着

俺は痺れを無視して立ち上がる。


「へぇ……。まだ立てたのか。それで? そいつの敵討ちってか? ハハハ!」


ケアンを無視して、倒れるキースに近づく。


「…………阿呆が」


ピクリとも動かないキースにそっと触れてから、俺はケアンを見た。


「……っ!」


俺の視線に、ケアンが怯む。


「なっ…何だ、その目は! この死に損ないが!!《雷よ、貫け!》」


雷の槍が俺に向かって来る。


「……阻め」


だが、俺の一言で雷の槍は地に落ちた。


「なっ!!?」


ケアンが驚愕する。


「何をしやがった!?」


俺は黙ったまま、一歩ケアンに近付く。


「なら……《雷よ!》」


ケアンの言葉と同時に雷が飛来するが、これも俺に届く前に地に落ちる。


俺はまた一歩、ケアンに近付く。


ケアンの顔色が変わり始めた。


「何でだよ!!《雷よ!》《雷よ!!》《雷よぉっ!!!》」


雷を連発するが、その全てが地に落ちた。


「……!!? ブ、ブラッコ!!」


「はっ!《大地よ、貫け》」


ブラッコがそれまで唱えていた呪文を中断して、新たに呪文を唱えた。


しかし、俺を貫く筈の床は、僅かに亀裂が走っただけで沈黙する。


もう一歩進んだ所で、ケアンが立ち上がりかけた。


しかし、俺はそれを遮る様に手を翳して呟いた。


「もういい。貴様は座っていろ」


メキッ!


「な゛っ!?」


ケアンの身体が椅子にめり込む。


まるで、上から何かに押し付けられたかの様に。


「ケアン様っ!」


それを見たブラッコが叫ぶが、


「五月蝿い」


俺の一言でブラッコの身体も地面に押し付けられた。


ケアンが喘ぐ様に言った。


「て、てめぇ……何を、しやがっ……。そんな、呪文は…しら、ねぇぞ……」


当たり前だ。


この世界の呪文では無いのだから。


普通の数倍の“重力”の所為で、椅子から動けないケアンを見てため息を付いた。


「まったく……。俺様とした事が、何で人間に合わせてやってるんだか……」


俺は独り言の様に呟く。


「最初からこうすれば良かったんだよ。……なあ?」


「何を、言って……?」


「星霊魔法って知ってるか? お前らが使うのとは字が違うぜ?」


喋りながらも、ケアンに掛ける重力を増やしていく。


もう、ケアンには口を開く事も儘ならない。


俺は頭痛がし出したが構わずに重力を掛けていった。


「貴様は俺様の持ち物に手を出した。……呪いなんざ関係無い。星の力で潰してやるよ」


「ぐ、ぎ……い゛《雷よ゛!》」


ケアンが放った雷は、俺を大きく外れて後ろへと向かった。


「阻め」


振り向きもせずに唱えた呪文は、餓鬼の目の前まで来ていた雷を地に落とした。


この期に及んでまだ餓鬼を狙うとは……。


「よっぽど死にたいらしいな」


俺の呟きと共に、ケアンにかかる重力が増える。


「ぐ…が……がはっ!!」


呻き声と共に、ケアンが血を吐く。


重力による圧力で、内臓にまでダメージが行ったのだろう。



同時に、俺の頭痛もピークに達しかけていた。


……あまりの痛みに意識が飛びそうになる。


だが……。


俺は、チラリとキースを見た。


……俺を侮辱したケアンは、殺す。


ケアンにかかる重力を一気に増やした。


ケアンの絶叫が響き渡る。



「ぐ、あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ゛!!!」



次の瞬間。


ゴガッ!!


重みに耐えきれず、ケアンを中心に床が抜け落ちた。


ガラガラガラ……。


瓦礫と共に、ケアンも落ちて行く。


すぐに、ケアンの姿は見えなくなった。


……ここまですれば、ケアンもまず生きていられないだろう。




そう思った瞬間、俺の意識は暗転した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ