俺のものは俺のもの
「《風よ、飛ばせ》」
ゴゥッ!
「わっ!?」
「うわぁっ!」
「!?」
石が3人を貫く直前、3人は俺の起こした風に吹っ飛ばされた。
それを見たケアンが笑う。
「ハハハ! 面白いな。魔王が人間を助けるのか?」
「こいつらは俺の下僕だからな。生かすも殺すも俺様次第なんだよ」
「へぇ……。なら、雑魚を守りながら俺達の相手をしてくれんのか?」
「お前みたいな雑魚には丁度良いハンデだろ?」
軽口を返した物の、あまり状況は良くねえな……。
ケアンだけならともかく、ブラッコってのが邪魔だ。
同じ四天王とは思えない程、シアンやビズラとは実力が違う。
それに、ケアンもブラッコも2対1でも油断はしていない。
それを、殺さない様に倒すとなると……。
「めんどくせえな……」
俺の呟きを聞いたケアンが言う。
「なら、見殺しにしたらどうだ?」
「……それも良いかもな」
「お、おい、レオン!?」
思わず言った言葉に、キースが慌てた。
そこに、ブラッコが呪文を唱える。
「《大地よ、貫け》」
「《風よ、飛ばせ》」
「おわっ!」
再び、キース達が吹っ飛ぶ。
「だが、俺様の物をお前等にやるつもりはねえよ」
俺の言葉に、ケアンは楽しそうに笑う。
「ハハハ。楽しませてくれよ!」
「《大地よ……》」
しつこいんだよっ!
「《風よ、刻め》」
ブラッコより早く俺の呪文が完成する。
ブラッコは自分に向けられた風の刃を、呪文を中断して躱す。
「へぇ……。早いじゃねえか」
まずはブラッコを倒したい所だが……。
俺がブラッコを攻撃すれば、ケアンはブラッコを見捨ててキース達を殺すだろう。
なら、2人同時に。
「《水よ、撃ち抜け》」
「《大地よ、阻め》」
俺と同時にブラッコが呪文を唱えた。
石の壁が水の礫を防ぐ。
チッ……。
読まれてたか。
「おいおい、その程度かぁ?」
ケアンは未だ、玉座に腰掛けたまま動いていない。
……とりあえず、立たすか。
この部屋は、四方が石壁で出来ている。
大地の呪文を唱えるブラッコの為だろうが、利用させて貰う。
「《大地よ、崩れろ》」
俺様の呪文で、天井がケアンに向かって崩れ落ちる。
「《大地よ……》」
すかさず、ブラッコが呪文で防ごうとするが、俺様の呪文が邪魔をする。
「《風よ、刻め》」
「くっ……! ケアン様っ!!」
慌てるブラッコに、ケアンが口を開いた。
「しょうがねぇな……」




