表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第2章
33/40

ケアンが勇者でレオンは魔王

「《盟約に答え、我に力を貸したまえ……》」


俺が詠唱を続けると、どんどんビズラの顔色が変わっていく。


「お、お前……。何でそれを……。嘘だろう!?」


ビズラが悲痛な声を上げたが、残念ながら嘘では無い。


人間ごときに出来て俺様に出来ない訳が無いだろう。


「《その業火を以て、我が敵を灰塵と為せ》」


炎が形を変え、鳥の姿を成した。


「さて、これを見ても案内しない気か?」


「うぅ……」


ビズラの顔が苦渋に歪む。


「返事はどうした?」


そう問いながら、一歩ビズラに近づく。


炎の鳥も、俺と一緒に動いた。


「ひっ……」


ビズラが後ずさるが、尚も答えない。


もう一歩踏み出そうとした時、辺りに笑い声が響いた。


『ぶはははは! 面白い奴等が来たな! ビズラ、諦めろ。お前じゃ相手にならねぇよ』


「ケ、ケアン!? 待ってくれ! 俺はまだ……」


何処からともなく響き渡る声にビズラが慌てた。


この声がケアンか?


何かの呪文で声を届けているのだろうが、全部見ていた様な口振りだな。


言い訳を始めたビズラに、ケアンが一段低い声で言った。


『諦めろつったのが解らなかったのか?』


「……っ!!」


途端にビズラが黙り込む。

その身体が小刻みに震えている。


ケアンを恐れているのか?


『解ったらそいつ等を俺の所まで案内しろ。お客を待たせるんじゃねえよ』


「わ、わかったよ……」


ケアンの命令にビズラが弱々しく返事をする。


俺は指をパチンと鳴らして炎の鳥を消した。


『クズの所為で待たせて悪かったな。そこまで入って来たのはお前らが初めてだ。ここからは客として案内するぜ』


「…………」


姿の見えない奴と会話をする気は無い。


シカトした俺をどう捉えたのかは知らないが、再びケアンの笑い声が響いた。


『ハハハ、良い根性をしてるじゃねぇか。……おら、ノロマ! さっさと客を案内しろよ。殺すぞ?』


「……こっちだ」


ビズラは、ケアンの最後の言葉にビクッとした後、俺に向かって呟いた。


俺がビズラの方に歩き出すと、キースが声を掛けてきた。


「念の為聞いとくけど……。罠かも知れないぜ、付いて行くのか?」


「関係無い」


「やっぱり?」


分かってるなら聞くなよ。


俺が再び歩き出すと、キースは後ろで隠れている餓鬼に声を掛けた。


「おい、坊主! 置いてかれるぞ!」


「ま、待って!」


餓鬼が慌てて付いてくる。


そこにもう一度、独り言の様なケアンの声が響いた。


『早く来いよ。遊ぼうぜ、退屈だったんだ』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ