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魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第2章
31/40

ここは室内です

あ~あ。


キースの奴、危ないな。


シアンが水の鞭を出したのを見て、俺は他人事の様に思った。



「くそっ!!」


「何で当たらねぇんだよ!?」


「余所見してんじゃねぇ!!!」



因みに。


俺はビズラの攻撃を躱しながら、その光景を見ている。


ビズラが躍起になって槍を振るうが、タネの分かった槍など脅威でも何でも無い。


「虚仮にしやがって……!」


ビズラは、一向にそちらを見ない俺に痺れを切らしたのか、槍を投げ捨てて呪文を唱え始めた。


何をするのかと、チラッとビズラを見る。


「今更慌てたって遅いからな!」


ビズラは勝ち誇った様に呪文を完成させた。


「《炎よ、成せ!》」


……何だ。


ただの二番煎じじゃねぇか。


何をするのかと思ったが、シアンの様に炎で槍を作っただけだった。


ビズラが炎の槍を振りかぶる。


俺はキースの方を見ながら、ヒョイヒョイと躱していく。


キースが風の刃でシアンの鞭を切り裂くが、水で出来た鞭はすぐに元通りになってしまう。


「逃げるしか能が無いのか!?」


ビズラが挑発してくる。


大方、シアンと同じ事がしたいのだろうが、俺が攻撃しない限りどうにもならない。


「いい加減にしろよ!」


ビズラが叫ぶ。


うるせぇな。


「当てられないお前が悪いんだろ?」


「何だと!? なら、俺の最強呪文で焼き付くしてやる!」


ビズラは俺の挑発に乗り、呪文を唱え始めた。


「《炎よ、不死の鳥たる、炎の精よ、盟約に答え、我に力を貸したまえ……》」


ビズラの前に、炎の塊が生まれる。


それは、徐々に形を変えて行く。

今までの呪文とは、格が違う様だ。


……ってか、隙だらけなんだけど。


ビズラは集中してるのか、今なら確実に一撃で倒せるだろう。


まあ、何もしないが。


俺は、ビズラの呪文が完成するタイミングを計りながら移動する。


……ここだな。


俺が足を止めた所で、ビズラの呪文が完成した。


「《……その業火を以て、我が敵を灰塵と為せ!!》」


ゴウッ!!


炎の鳥が俺に向かって飛んでくる。


チッ……。


室内で使って良い大きさじゃ無いだろう。


「《水よ、阻め》」


俺は水の呪文を唱える。


ジュワッ……!!


炎の鳥と水の壁がぶつかり、水蒸気が上がる。


流石に省略した呪文では完全には防げそうにない。


「無駄だぁ!」


水の壁が全て蒸発し、炎の鳥は2回り程小さくなっていた。


だが、その勢いは止まる事なく俺に向かって来る。

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