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魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第2章
29/40

奴は四天王でも最弱の存在…

俺は階段に向かった。


キースが慌てる。


「お、おい、レオン!? 罠はまだ解かれて無いかも知れないぜ?」


そんな事は分かっている。


呪文による罠と分かれば手はある。


俺は階段に手を翳し、呪文を唱えた。


「《炎よ、我に力を貸したまえ。我に従い、道を開け》」


ゴウッ!


俺の手から放たれた炎が階段の表面を撫でる。


「一体、何を……? って、レオン!?」


キースが首を傾げる中、俺は階段に足を掛ける。

炎が俺を包む事は無かった。


そのまま悠然と階段を上る。


「え、えっ!? 大丈夫、なのか!?」


「見ての通りだ」


「……すみません、見ても分からないので説明して貰えますか?」


しょうがねぇな。


馬鹿なキースにも分かるように説明してやるか。


「……めっちゃ馬鹿にされた気がする」


キースの呟きは無視して、俺は親切な説明をしてやった。


「相手の呪文を俺様の呪文が乗っ取った。以上」


「以上って……。それって、相当の実力差が無いと出来ないんじゃ……」


「そうだが?」


「…………ああ、そう」


俺があっさり頷くと、キースは何かを諦めた様に肩を落とした。



「オイオイ、一体どんな手品を使ったんだぁ?」


階段を上りきると、一人の男が待ち構えていた。


恐らく、こいつが罠を張ったのだろう。


先程のゴードンとは対称的に、小柄な身体をしていて子供の様にも見える。


短い茶髪に、生意気そうな目で俺を見詰めている。


俺は後ろから付いてきた餓鬼に聞いた。


「誰だ?」


「え、えっと、多分……ビズラ・ハンガリアンだと思う。ゴードンと同じ、ケアン四天王の一人だよ」


餓鬼がたどたどしく説明する。


って、四天王とか居るのかよ……。


「私も居ますよ」


そう言ってビズラの後ろから現れたのは、金髪を長く伸ばした、細身の……。


男だか女だか良く分からない容姿をした奴だ。


「お前は?」


「私はシアン・ローデ。ビズラと同じ四天王です。以後、お見知り置きを」


丁寧に自己紹介してくるシアンに、ビズラが文句を言う。


「何だよシアン。呼んでねぇけど?」


「貴方の罠をどうやってすり抜けたのか、興味が有りましてね」


「俺の獲物だぜ?」


「邪魔はしませんよ。そうですね、私の相手は後ろの男性にお願いしましょうか」


そう言って、キースに視線を向けた。


キースが視線を受けて聞いた。


「…………俺?」


その様だな。

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