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魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第2章
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勇者の屋敷へ

「ここがケアンの屋敷だよ」


「どうすんだよ? まさか正面から乗り込む気じゃ無いだろうな?」


どうするかな……。

面倒だから正面から行くか。


俺はそのまま正門に向かう。

キースが何か喚くが無視。


正門には2人の門番がいた。


呪文の一発でどかしてもいいが、最初から騒ぎにすると後が面倒だな……。


俺は懐から一冊の本を取り出した。親父からパクって来た本だ。

パラパラとページを捲る。


「いきなり本なんか出してどうしたんだよ?」


キースが不思議そうな顔をした。

目的のページ見付けると、俺は本の中に手を入れた。


ズルリ、と。


明らかに本の厚みよりも長さのある刀が引き出された。


「うええっ!? 何で!?」


「すっげぇ~」


キースが驚き、餓鬼が感動する。


「よし」


俺は柄も、鍔も、鞘も、さらには刀身も、総てが黒い刀を腰に差すと本を懐に戻した。


そのまま何事も無かったかのように正門に向かう。


「ええっ!? 説明無しなの!?」


キースが五月蝿いので俺は一言で説明する。


「うるせえな。これはそういうもんなんだよ」


「そういうもんって……。それ説明になってねえし……」


親切にも説明してやったのに、キースはまだ何か文句を言っていた。


ぶつくさ言っているキースを置いて、門番に近付く。


こちらに気付いた門番が声を掛けてきた。


「止まれ! ケアン様の屋敷に何用だ?」


俺は更に近付きながら答える。


「いや~、ちょっと。死んでくれないかと思って、さ」


ドサッ


言葉が終わると同時に、2人の門番は地に伏していた。


俺が居合い抜きで倒したのだ。

勿論峰で、だが。


「早っ! いつ抜いたんだよ!?」


「そいつらどっかに隠しとけ」


「あ? ああ。《風よ、運べ》」


キースが門番を正門の内側に隠すのを見届けると、俺は屋敷に向かう。


「姉ちゃんがいるのは、あっちの離れだよ!」


餓鬼が屋敷の隣の建物を指して喚いた。


が、俺は気にせず屋敷に向かった。


「ど、何処行くの!? 姉ちゃんを助けてくれるんじゃあ……」


「誰がそんな事言った?」


「ええっ!? だって……」


俺との会話を思い出したのか、餓鬼が黙る。


俺は助けるなんて一言も言っていない。


固まってしまった餓鬼を見てキースがため息を付いた。


「はぁ、しょうがねえな……。おい、坊主。この魔王様は勇者を倒してくれるらしいぞ」


「えっ? あのケアンを?」


「ああ、恐ろしい事に本気らしい。まっ、上手く行ったら姉ちゃんを迎えに行けば良いんじゃないか?」

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