表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第1章
16/40

まだまだ勇者が現れた!

「勇者の団体が来ると困るのか?」


馬に乗りながらキースに問いかける。

俺はともかく、勇者になったのならキースは困らない筈だ。


俺の疑問の意味が解ったのか、キースは回りを見回しながら早口で説明し出した。


「そんなに早く勇者になれる訳ないだろ。お前が行っちゃうから、俺も慌てて町を抜け出して来たんだよ。だから勇者に見付かるとカモられるか、問答無用で討伐される」


……こいつは馬鹿か。

何でそこまでして追って来るんだ?


「とにかく、急げよ。今から来る奴等は殺気立ってる筈だ。魔王がいないなんて言っても、代わりに俺等が討伐されるだけだぞ!」


そんな事になっても返り討ちにしてやるが。

だが、殺さずに動けなくするのも面倒だな。


俺はキースを置いて馬を走らせた。


「だから、置いてくなって」


後ろからキースも付いてくる。


しかし、数分も走らずに俺は馬を止めた。


「どした? ……あらら、遅かったか」


後から来たキースも先を見て止まった意味が解ったようだ。


「貴様が魔王か!?」


王都の方から勇者の団体が来ていた。

既に臨戦体勢に入っている。


数はざっと10人ちょいか。

俺は、勇者の問いに余裕たっぷりに答えた。


「さあな」


否定しない俺に勇者共が殺気立つ。


「どうすんだよ?」


「めんどい、任せた」


「は?」


雑魚を相手にするのも面倒だ。


俺は全てキースに任せる事にして、傍観の姿勢を決め込んだ。


「ちょ、レオン?」


「先ずはお前からだぁ!!」


戸惑うキースに向かって、勇者の一団から騎乗した3人が武器を手に突撃してきた。



「《雷よ、我に力を……》」


後続からは呪文を唱える声が聞こえる。


「わわっ! え~っと《風よ、飛ばせ》」


キースの回りに風が巻き起こる。それは突風となって勇者達を吹っ飛ばした。


だが、後続までは風が届かなかったために一斉に呪文が完成した。


「《雷よ、貫け》」


「《炎よ、降り注げ》」


「《水よ、撃ち抜け》」


雷が、炎が、水がキースに向かって飛んでくる。


「うっそ、まとめて!? 《風よ、阻め!》」


しかし、それらの全てがキースが起こした風の壁によって、阻まれた。


あの数を防ぐとは……。


勇者達も驚いた様で、慌てて次の呪文を唱え出した。


だが、遅い。


「《風よ、切り裂け!》」


キースの呪文は勇者達の半分の時間で完成すると、無数の風の刃が勇者達を切り刻んだ。


「ご苦労」


全員を倒したキースに労いの言葉をかけてやった。

しかしキースは気に入らなかった様だ。


「ご苦労。じゃねぇよ! レオンも手伝えよ!」


「一人で充分だったじゃないか」


「いや、ちょっとヤバかったって……」


「無傷の癖に?」


「いや……。まあ、そうだけどさ……」


俺が悪びれる気もないのが分かったのか、キースは肩を落として言った。


「まあ、もう良いけどさ……。無事だったし」


「そうか。なら、あれもよろしく」


続けた俺の言葉にキースは固まった。


「……は?」


俺が見ている方から馬が上げる土埃が近付いて来ていた。


今度は王都とは反対方向だ。


「…………さっきより多くない?」


「だろうな」


恐らく倍はいるだろう。


「それを俺一人で?」


「ああ」


「…………」


キースは俺の顔と、土埃の方を交互に見ている。

やがて……。


「無理!!」


キースが大声を上げた。


「相手にしなくても良いだろ、逃げようぜ!」


「相手にしなくても良いが、もう遅いと思うぞ」


キースが悩んでいる間に、土埃は段々と近付いて来ていた。


……さて、どうするか。


流石にあの人数はキース一人では厳しいだろう。


「……しょうがねぇな」


呟き一歩前に出る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ