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魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第1章
12/40

下僕を手に入れた!

ここは、馬車の停泊用の町の様だ。


宿屋が2、3軒。それと幾つかの店。


数える程しか家がない。


「今日はここに停泊します。馬車は明日の朝一番に出発します」


御者が言うと、皆それぞれ手持ちに合わせた宿に入って行った。


「俺達は何処に泊まる?」


当然の様にキースが言ってきた。


「どれでも良い」


相手をするのも面倒になって来たので、好きにさせる事にした。


「じゃあ、ここで」


キースは勝手に宿を取ると、鍵を渡して来た。


「はい。俺の隣の部屋だって。流石に同じ部屋にしたらキレるだろ」


良く分かっているらしい。


まあ、面倒事をやらせる下僕が出来たとでも思えば良いか。


「何か今、凄い見下さなかった?」


「……何の事だ?」


鋭い。


俺は惚けて、鍵を受け取った。


「まあ、良いけどさ……」



部屋に入ると、中々の広さだ。

貧乏臭い顔をしていたが、意外と金を持っているのかも知れない。


荷物を置くと、キースが声を掛けてきた。


「レオン~。飯食いに行こうぜ~」


キースに連れられて来たのは、隣の酒場だった。


中はそこそこ賑わっていた。


席に着くと、若い女が注文を取りにくる。

女は俺に向かって言う。


「ご注文はお決まりでしょうか~」


「レオン、何食う? 奢るぜ」


「一番高い飯と酒を」


「は~い。かしこまりました~」


「……嫌がらせ?」


「ご注文は以上でよろしいでしょうか~?」


女はキースの方を見ずに言う。


「いやいや! 俺のも!」


「チッ……お早めにお願いします~」


「今舌打ちしたよね!? ……じゃあこれで」


「直ぐにお持ちしますね~」


女は俺に向かって愛想良く言うと下がって行った。


「俺の注文聞いてたかな……」


「…………」


女の態度は素直だった。


別にキースが特別不細工な訳ではない。

むしろ標準以上だろう。


顔は軽薄そうな笑みを浮かべているが、見方を変えれば愛嬌と呼ぶことも出来るかも知れない。


そんなキースがあの扱いなのは、単に俺のせいだろう。


自分で自分の容姿を褒める気はないが、俺の顔は人間の女に好かれるようだ。


「ううぅ……。俺だって、俺だって……」


キースが何やら呟いている。

まあ、放って置こう。


それにしても、高い飯を取り消さない辺りやはり金があるのだろう。

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