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穢れ
俺は夢を見た。
いや、夢というより回想に近い。
昔の事が映像となって俺の頭に流れているのだ。
内容は、とある女性と俺が夜の街を仲良く歩いていただけだ。
共に歩いている女性は優羽ではない。
しかし、俺がよく知っている顔だった。
もう今は会うことはないのだが。
話す度にお互い笑顔になっている。
映像は無音だったから会話内容は分からないが、あまりにも愉快そうにお互い話しているため、相当酔っているのかもしれない。
……本当に酔ってそうなっているのか、覚えていない。
やがてその女性と俺は抱きしめ合い、恋人のように仲良さそうにしだした。
周りに人はいるが、この事は優羽も裕太も知らないはずだ。
優羽に関してはこの女性の存在すら知らないだろう。
「ねぇ、こーくん」
この女性が勝手につけた俺のあだ名を呼びながら、女性は艶やかに微笑む。
どこか優羽とは違う魅力があった。
「キスしてもいい?」
女性はそう言って、俺が答える前に口を近づけてきた。
そして俺は…………………。




