一緒に風呂に入った仲
皆様こんにちは、羽柴真一です。
前回は香津江と隼人が久しぶりの再会を果たしました。
今回は二人で海へ出掛けます。海水浴と言っても特別な事件が起きる訳ではありません。ただ、
一緒に過ごす時間の中で少しずつ相手の事を知っていく。そんな一日です。
そして隼人の天然ぶりも平常運転です。
それでは第3話「一緒に風呂に入った仲」をお楽しみください。
「香津江?家に帰るぞ」「楽しかったね隼人」「そうだな、久しぶりだからな海水浴って、思ったよりも楽しいな、また来ような香津江」
「隼人もまた誘ってよ、何時でも私の水着姿見せてあげる券前売りしてるんだから」「一枚貰ってもいい?」「プレミア付くかな?」
「あははは」「隼人おかしい、お腹痛いよ」「そこ笑わなくてもいいのに」「いじけないいじけない」香津江は思い付いた。
「隼人海の中って潜れる?」「素潜りの事か?」「ボンベ背負って潜るやつだよ?」隼人はスキューバの事だと思った。
「俺、潜水士の資格は取ったぞ、工事潜りだけどな」初めて聞く言葉だ。
「それって何?隼人」
隼人は説明するのが億劫になったので、簡略化した答えを言う。
「建設工事で海の中に入って仕事をする資格だよ」
「冬場って漁に出られない日ばかりだから、少しでもお金を稼ぐために取得したんだ」「大きな建設会社から、潜って欲しいって言われてるんだ」
思っていた答えとは違っていたけれど、隼人の事を教えてもらえた喜びの方が、勝っているので、香津江はすこぶる機嫌が良い。
「てっきり私は魚たちと泳ぐ趣味の方かと思っていたの」隼人は笑った。
「あははは、それなら毎日潜って見つけた魚を食べたくなってしまう」
「それって隼人らしいね」
香津江の自宅へ戻り母親に帰宅を告げた。「お母さん只今、帰ったよ。」「香津ちゃん、お風呂わかしてるから隼人君と一緒に入りなさい」
香津江は無言になった。
「あなた達昔は一緒にお風呂入ってたでしょ?」
「香津ちゃんも隼人君なら裸を見られても、見られた方がいいのかな?どっち?」
答えられない返事を期待されても困る香津江。
「お母さんいいんですか?香津江さんと一緒に入っても?」
「全然気にしないわよ。昔はみんな一緒に入っていたものなのよ。?マキでわかすから一度に入らないともったいないからよ?」隼人は納得した。
「分りました。では香津江さんと一緒に入ります。いいね?香津江」
恥ずかしそうにうなづく香津江だった。
「お風呂で水着を着れば問題無いだろ?」
「隼人君、それ問題大ありなんだけど?」
「えっ?水着着ても駄目なのか?」気付いていない隼人がそこにいた。
第3話を読んでいただきありがとうございました。
今回は海水浴のお話でした。
香津江としては隼人の事をもっと知りたい。一方の隼人はというと、自分では普通に話している
つもりなのですが、時々思わぬ方向へ話を持って行ってしまいます。
特にラストのお風呂のくだりは、作者も書きながら「そこじゃない」と何度も突っ込みたくなり
ました。
ちなみに作中で少し触れた潜水士の資格は、実際に海中で工事を行う仕事に必要な資格です。
漁師の仕事とはまた違った海との関わり方になります。
次回は今回入れようと思って少し長くなりそうだった話を、第4話で描いていこうと思います。
それではまた次回、お会いできれば幸いです。




