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漁師力学研究所  作者: 羽柴真一


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チゲとの戦い

皆様こんにちは、羽柴真一です。

前回は海水浴やお風呂騒動を通して、香津江と隼人の距離が少し近づきました。

今回は香津江視点のお話です。隼人を知りたい気持ちが強すぎて、少々暴走気味な香津江ですが、

果たして無事に一日を終えられるのでしょうか。

そして作中に登場する「チゲ」は韓国料理ではなく、漁師たちが船へ持って出る弁当の事です。

それでは第4話「チゲとの戦い」をお楽しみください。


 香津江は隼人の家に遊びに来た。「隼人居る?」

「眠い香津江、もう少し寝かせてくれ」

「そうだった隼人夜中に働いてるんだった」申し訳なさそうに謝る香津江。

 しかし、構って欲しい子ちゃんの香津江は至って後の事を考えないと言えばいいのか、無鉄砲と言えば良いのかは不明だが、なんと隼人の布団の中に入って行った。

「おはよ、隼人」

 優しく耳元でささやく愛の言葉モドキは隼人の思考を混乱させた。

「何か柔らかいものを触てしまったみたいだ」

 顔を真っ赤にした香津江が布団から飛び出してきた。

「隼人いきなりはダメだよ!プンプン」

「何だ香津江なのか、てっきり神戸の。あ」「何それ隼人」

 言ってはいけない言葉だったのに、もう遅い。香津江砲が響き渡る。

「優しくしてあげるからねハ ヤ ト」

「香津江何か勘違いしてないか?俺は神戸の暴力団みたいなマネをと言いたかっただけだぞ」

「鉄砲玉みたいな真似はしないでくれと言いたかったんだ、決してソーだよあかんあかん」

 完璧に起きてしまった隼人、出航まであと3時間も有るのに。

「香津江、チゲって知ってる?」「なにそれ?」

「お前ん家ってその言葉は使わないお父さんなのか?」

「どういう意味なの?」

「チゲって普通に漁師のお弁当の事だぞ、お父さん作って持って出ないのか?」

 父の仕事は隼人と違うからチゲと言う言葉そのものが家庭には無いんだ。気付いた隼人は香津江に相談する。

「香津江、初チゲ作ってくれないか?」

「あはは、お料理教室みたいな感じでいいの?」

「すまん、食べられるものを頼む、そしてお腹が痛くなかったら合格だぞ」「なら簡単じゃん、おにぎりにしよう」

 発想が単純なのか、ただ単に手抜きをしたいのか。

第4話を読んでいただきありがとうございました。

今回は隼人視点で、隼人の日常に少し踏み込むお話でした。

隼人にとって当たり前の事でも、香津江にとっては初めて知る事ばかりです。漁師の言葉や習慣、

仕事の都合による生活リズムなど、同じ町で育っていても知らない世界があります。

今回登場した「チゲ」も、その一つです。

一方で香津江は相変わらず真っ直ぐです。思い立ったら行動する性格のおかげで物語は進みますが、

隼人から見れば少々心臓に悪いような気もします。

そして隼人はというと、本人は何も特別な事をしていないつもりなのですが、周囲を振り回す天然

ぶりは健在です。

次回は初めて作るチゲがどうなるのか。香津江の挑戦を見守っていただければ幸いです。

それではまた次回お会いしましょう。


研究所からのお知らせ

本研究所は第13話をもちまして観測任務を終了し、第14話より新研究棟「漁師

恋愛学研究所」へ移行予定です。今後は婚約後及び結婚後の二人を主な観測対

象とするため、これまでより恋愛描写の比重が増える場合があります。

第14話以降の閲覧につきましては、上記内容をご理解いただいた上で、読者様

ご自身の判断にてお願いいたします。なお、本件は研究テーマ変更による研究

棟移転であり、物語そのものが終了するものではありません。引き続き観測へ

参加していただける研究員の皆様は、次の研究棟にてお待ちしております。

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