座らせた香津江の胸はでかい
皆様こんにちは。
第2話は隼人視点のお話です。
前回は香津江の気持ちを中心に描きましたが、今回は漁師見習い杉村隼人の頭の中を少しだけ覗いて
みます。
なお、恋愛よりもイカの話が多くなっておりますが正常運転です。
【第二話】 座らせた香津江の胸はでかい
今日は金曜日、明日はセリが無いので出漁は止めだ。
ここ最近イカが獲れる量が多くなってきた。
シーズン的には初夏の一番イカが大きく育つ頃だから、多く獲れる事は珍しくないが、漁場が港から近くで、漁をすることの出来る時間が長くなるから、とても有難い。
燃料が少なくて済むのは皆一緒だからな。
明日は香津江を誘ってサンビーチに行こうかな。昨日会った時嬉しそうだったし。
俺は杉村隼人。24歳独身、香津江と同じ浜坂高校を卒業後、底引き網漁船に乗り込み、漁師の修行を始める。
将来は親父の船を継いで地元で漁師(小型イカ釣り漁船)をする予定だったが、昨年親父が他界した。
残された船をどうするか家族で考えたが、俺が乗ると決めて今に至る。
小学生から親父の船に乗って漁に連れて行ってもらっていたので、既に漁師としての技術は備わっている。
そうは言っても、漁の基本は情報収集がメインだ。どの場所で何時、水深がいくらで、潮がどの方向から、そして肝心なのは釣れる場所へいち早く到達することだ。その情報を集めるための場所、それが岡見だ。俺も子供の時から親父に連れられて岡見へ付いて行ったものだ。そこに何か面白いものがある訳でもなく、ただ親父がそこに行くから俺もそこにいただけだった。でもその岡見と言う場所は漁師の交友関係を築き、情報を収集するための宝庫だ。もっと親父に聞いておけば良かったと後悔しても始まらないな。
その岡見に香津江が来てくれた。香津江明日泳ぎに行かないか?土曜日だし。
「良いわね、隼人。そんなに私の水着姿が見たい?」
「うん、見たい見たい。見たいぞとっても」
「なんかそれ見たくないって言ってない?」
「そんな事無いぞ、香津江の水着姿が見られないなら俺は、どうしよう?」「ほら」
二人は顔を見合わせて笑った。「あはははは」
「是非とも香津江様、拝見させて頂きます」
「ふん、苦しゅうないぞ」「何かノリノリじゃないか?香津江」
「だって嬉しいんだもの、隼人と二人っきりで泳ぎに行けるからだよ」
「ただ泳ぐだけだぞ?」「隼人分かってない!」香津江は自分だけテンションが上がっている事に気付いたので、自粛した。
「隼人、明日は何時に迎えに来てくれるの?」
「そうだな、10時頃はどうだ?お昼を浜茶屋で食べてから帰ろう」
「うん、そうしよう隼人楽しみだね」「あんまり期待しすぎるなよ」
そう言って隼人は香津江を宥める。
翌日朝、「荷物はこんなもんか、よし行こう」
牧谷家の前で大きく息を吸い、深呼吸する。
「おはようございます、香津江さんいますか?」
女の子の家の玄関で名前を呼ぶ日が来るとは。
女の子の気持ちを操る事が船の操船よりも難しいとは思わなかった。
「隼人おはよう」「なら行こうか?」
「徒歩で?」「勿論!」「女の子なのに?」「何か不満か?」「いえ私の心の配分が至りませんでした」
「歩いてもすぐだぞ、ここは徒歩一択だ」何故か香津江の歩く速さが遅く感じられた。
「隼人行こう。手繋いで?」「香津江、俺そんな免疫付いて無いぞ」「嬉しくないの?」
「そりゃまぁ」
「よろしい、ではこの私目が隼人様の予防接種って何言わせるの?」
「いや、香津江が勝手に、はい」
到着早々香津江は聞いてきた、「隼人ボートに乗せて?」「良いけど泳ぐんじゃなかったのか?」
香津江は少しはにかんで、「いいの、隼人と二人きりなら」隼人は香津江を持ち上げてボートに乗せてあげた。
その際、隼人の両手が香津江の大きな胸の両側を包み込むようにしたので、香津江は驚いてしまった。
「隼人恥ずかしい」「ごめん触るつもりはあったんだ」そう言われた香津江は、照れてしまった。
ボートに乗った二人は少し沖まで出て行った。正面同士で向き合う二人は、どう考えても相手の姿が見えるはずなのだが、どうも様子がおかしい。「隼人?私の水着どうかな?」「うん似合ってるぞ」
単調な返しが香津江の心を砕いた。
第2話をお読み頂きありがとうございました。
作者も執筆中に気付きましたが、隼人の頭の中は思った以上に漁場とイカで占領されていました。
香津江の力学と隼人の力学が微妙にズレているような気がしますが、今後の観測を続けたいと思います。
それでは次回、第3話でお会いしましょう。




