(40) 上層軍本部
(40) 上層軍本部
翌日予定通りに、上層の軍本部に向かう。
新たに与えられた、中隊長用の部屋の区画は、上層の軍本部に平兵士達の宿舎よりも、割りかし近くに建てられて居た。
その為に余裕を持って行けた。
軍本部の衛兵は、平兵士達よりもガタイが良くレベルが高い事が伺える。
中には後もう少しで、進化可能なレベルの個体も居る。
中隊長のマントと徽章。更に栄道勲章を付けて居るからか、出会う蟻達に敬礼を受ける。
その瞳には憧れの念や尊敬の念が、浮かんで居る。
受付で用件を伝えると、既に話は通って居たのかすんなりと通される。
最上階にあるこの上層の軍全てを、女帝に代わり統括する大将軍と対面する。
案内してくれた受付が扉をノックして、中から返事が来ると一礼して去って行った。
俺は失礼します。と声を掛けてから扉を開けて中へと入る。
中には、演説の時にエンプレスアーマイゼや、クイーンアントの側に居た面々が揃って居た。
何故こんな大物が俺みたいな、中隊長になったばかりの新人を呼び出すんだ?
彼らは何も言わずに、ジィっと此方を見つけるだけだ。
観察されて居る様で嫌だな。
意を決して言葉を口にする前に、向こうが先に声を掛けて来る。
「ギ(先ずは座りたまえ)」
椅子が置かれていたので座る。
目の前の面々は人型なので、楽に普通の椅子に座って居るが、此方は蟻体型なので、それに合わせた特殊な椅子が置いてある。
なので座り心地も良い。
何やら横とコソコソと会話して居るが、まだレベルは低いが、スキルの聞き耳を使用すれば、辛うじて何を言っているのかがわかる。
「ギ?(見た感じ普通だが?)」
「ギイ、ギギ?(そうだな。だが、そんな奴はこのエルダー大迷宮では、掃いて捨てるほど程いるだろう?)」
何やら俺について話してる様だが、いまいち要領を得ない。
まだレベルが低く、所々抜けたりするからだろう。
今まで一言も喋らなかった、真正面に陣取る大将軍が口を開く。
「ギイ、ギギ(さて、何故儂等に呼び出されたのか疑問に思うだろう。何お主が栄道勲章を授与されたので、少し興味が出ただけじゃ。他に他意はない)」と言っているが、嘘だとわかる。
だが、此処でそれを指摘しても良いことは無いだろう。
大人しく頷いておく。
「ギイ、キギ(では、お主に預ける部隊を言う。アリグルには第901中隊を率いて貰う)」
「ギ(了解しました)」
その後は軽い書類手続きを終えて、第901部隊所属を表す腕章を貰う。
その後は一礼して退室する。
別室に第901部隊の副官と補佐官が、待機しているので顔合わせを行う。




