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Norse Cosmology   作者: 宵闇蛍
第一章 -幼少期編-
12/28

封印

 朝目が覚めるとMPは全快し、また身体が発光していた。

 おじいちゃんからは発行し始めたらすぐに魔法を使って魔力を消費するように言われている。

 僕はMP消費も兼ねて新たなスキルを確認することにした。


 まずは次元魔法。

 空間把握エリアというものが増えている。

 早速発動させてみる。

 「次元魔法ディメンションマジック 空間把握エリア!」

 魔力を周辺に散布させるイメージが頭に流れこんでくる。

 そして気づくと僕は、周囲1mの地形情報を把握していた。

 例えるなら半径1m円球の立体模型が頭に入った感じだ。

 目を瞑っていてもゴミ箱に紙くずを投げ入れられそう、そんな感じである。

 しかしこの魔法、予想以上にごっそりとMPを持っていかれる。

 毎秒5ずつ減っているようだ。

 今の僕ではもって7~8分というところだろう。


 次に円球の半径を拡大できないか試してみる。

 出来た。

 2mまで引き伸ばせたが、MP消費は10/秒となった。

 消費MPが体積比例ではなく半径比例で良かった。

 しかし2mにすると少し頭が痛い。

 明らかに僕の頭で処理できる情報を超えている感じがする。

 半径を1mに戻し、僕は熟練度上げとMP消費に努めることにした。


 空間把握エリアを発動させたままで、次は魔法発動ショートカットを試してみることにした。

 ステータスのショートカット項目を探そうとすると、すぐに自動でショートカット設定画面が開いた。

 このシステムは本当に便利だ。


 設定できる場所は7箇所。

 左右の目、手、足と両手のようだ。

 説明によると両手のショートカットというのは柏手を打つイメージらしい。

 

 設定箇所を見てみると、今は両目に『慧眼』がセットされている。

 なるほど、これでステータスを見ていたわけか。

 スキルはショートカットに設定している部分を意識することで発動するらしい。

 僕は早速、右手に『火属性魔法』、右目に『慧眼』、左目に『次元魔法』を設定した。

 なぜそうしたのかというと、、なんとなくだ。

 

 早速右手に着火イグニッションをイメージする。

 ボオッ!

 想像していた通りの炎が出来上がった。

 おお、これは便利だ。

 空間把握エリアを発動しながらの着火イグニッションだ。

 2つの魔法を同時展開出来るなんて凄い。

 ショートカットがなければ絶対に頭がパンクしていた。

 魔力の込め具合を調節せずに発動できるというのもまた素晴らしい。


 少し遊んでいると、気づけばMPが残り1%を切っていた。

 空間把握エリアを解いて、自分の身体を確認する。

 発光は完全に収まっていた。

 

 次元魔法を使うとすぐに魔力が尽きてしまう。

 暇になった僕は次元魔法と火属性魔法を組み合わせて新魔法を使えないか考えることにした。

 空間把握エリアを発動してる間は、エリア内の好きな座標を指定できるらしい。

 もしかしたら、その性質を使えばエリア内なら好きな場所に炎を出すことが可能かもしれない。

 複数座標を指定して周りに多数の火の玉を侍らせることもできるのか!?

 なんだかThe 炎魔導師みたいで格好いい。

 思わずフフッと声が出てしまった。

 魔力が回復したら試してみよう。

 他のことも色々考えていたら、気づけば夜になっていた。

 多数の火の玉を侍らせるのは、屋内では危ないので明日またこっそり家を抜け出すことにしよう。

 だけど今度は庭でやろう。

 うん、そうしよう。


 それから僕は、10日間新魔法の研究に明け暮れた。

 少し気がかりだったのは、その間ずっとお母さんとおばあちゃんが全く家に帰ってこなかったことだ。

 お父さんは帰ってきているみたいだけど、夜遅くに帰ってきて朝早くに出て行ってしまうので合うことはなかった。

 おじいちゃんも何か考え込んでいて、ほとんど自室から出てこなかった。

 そのおかげで魔法の研究がしやすかったのだけれども。



 いつものようにおじいちゃんと朝ごはんを食べる。

 すると珍しく真面目な顔でおじいちゃんがいった。


 「ハルキ、今日はあとでワシとお出かけじゃ」


 表情と内容が合っていない。

 怖い。


 「どこにいくの?」


 「ついてからのお楽しみじゃ」


 だから表情と言ってることが合ってない。

 怖い。


 「10時頃には家を出るぞ」





 僕とおじいちゃんは森の中を歩いた。

 ただただ無言でかなりの距離を歩いた。

 森の中は不気味なくらいに静かだった。

 鳥のさえずりすら一切聞こえない。

 正直この身体で長距離を歩くのは辛かった。


 「おじいちゃん、疲れた」


 「おうおう、そうか。ちと急ぎすぎたかのう。どれ、ワシがおぶってやろう」


 おじいちゃんの手は震えていた。

 多分これから行くのは楽しいところではないだろう。

 もしかして、捨てられるのか?





 20分ほど歩いただろうか。

 突然視界が開けて、大きな遺跡が現れた。

 僕を背負ったままおじいちゃんは遺跡の中に入った。



 中に入ると、両親とおばあちゃんがいた。

 

 「連れてきたぞ、すぐに始めてくれ。ワシらの気が変わらんうちに。ハルキ、すまんのう。婆さん、頼む」


 「はいよ。ハルキ、ごめんね…『縛』!」


 何がなんだかわからないまま、僕の身体は動かなくなった。

 一体これから何をされるんだ。


 「爺さん、ハルキを中央に」


 僕は部屋の中央に座らされた。

 両親は涙を流していた。

 ほんとなに?

 僕殺されるの?


 「ミリア、いくよ」


 「…はい」


 「「生長を塞き止める森の使者

   地脈を塞き止める大地の使者

   大河を塞き止める湖の使者

   気流を塞き止める風の使者

   炎の揺らぎを塞き止める火の使者 

   我汝らの名のもとに時を塞き止める使者となる

   神々の鼓動は止まった

   時の源流は絶たれた

   眠れ 眠れ 眠れ 眠れ

   今こそ永年の眠りに堕ちよ

   禁呪魔法 虚葬紅華リコリス!」」


 僕の下には巨大な魔法陣が浮かびあがっていた。

 強く発光して、僕の視界は真っ白に覆われた。

 そして僕は意識を失った。

 最後にお母さんの泣き崩れる姿が見えた。







 「うぅ……ぁぁぁ……」


 ミリアは泣き崩れた。

 レオはミリアを強く抱きしめて言った。


 「しっかりするんだミリア。ハルキは死んだわけじゃない。この子が目覚めたときに、笑顔で迎えてあげられるように、なんの不自由もなく元の暮らしに戻れるように、僕らにはやらなければいけないことが沢山あるじゃないか。悲しいのはとても良くわかる。でも今は我慢だ。目が覚めるまで頑張ろう。そして、失った9年分の時間を取り戻すんだ。さぁ、ここの温度も下がってくる。まずは家へ帰ろう」


 「──ハルキ、またね」


 すすり泣く声と、活気のない足音だけが、冷たい建物内に響き渡った。

 今日の森は、静かである。


 ──ゴゴゴ……バタン。



 3852年12月15日。

 転生者ハルキ・フォスターは長い眠りについた。


   

   

      

幼少期編終了です!

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

次回からは少年期編に入ります。

これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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