任される
(スゴイ、さっきまであったカベが、一瞬で消えた)
超常のチカラをつかうスガタというものを、目のまえにした徳康は、おどろかざるをえなかった。そして、ソレと同時に、アタマにうかぶコトがあった。
(オレにも、こういうコトが、デキるんダロウか?)
「じゃあ、オレはコレから、この公園でおきた一連のジケンというか、デキゴトについて、本部にもどって、上にたいして報告するコトにする。
ワルイけど岩羽さんは、可能なかぎり、吸いこまれたアヤカシたちのあとをしらべて、追ってみてくれない?
ソレと、徳康さんは、コレからナニカ、予定はありますか?もしナニもなければ、彼女といっしょに、行動するコトをおススメしますよ。
こうして、ユウレイ、妖怪、怪異、モノノケ、アヤカシたちのそんざいを、ハッキリといしきし、にんしきしてしまった。
ソウである以上、今までみたいに、『ナニもソレが見えず、感じない』っていうワケにはいかないでしょうし。
となると、その、チョット言いにくいコトなんですけど、そういうそんざいから、襲われかねないかと。
ただでさえ、マイナスの負のエネルギーを、あつめやすい体質やとくちょう、性質を持っていますからね。
その上さらに、そのマイナスの負のエネルギーにつられてやってくる、アヤカシたちのそんざいを、知覚して、いしきして、にんしきして、見えるようになってしまったんです。
だからもう、今までみたいに、見えないからといって、そのそんざいを無視する。っていうコトは、まずデキないでしょうし。
極端なハナシになりますけど、徳康さんのほうが、たとえ、アヤカシのコトを無視しようとしても、あいてのほうが、ムリヤリ関わってきたりして、危害をくわえられるかもしれません。
ソウなると、ヤッパリ、超常のチカラを持っているニンゲンと、いっしょにいたり、行動すべきでしょうね。
でもワタシは、今からチョット、ひとりで戻って、このコトを、ほうこくするひつようがある。
となると、あとはもう、消去法で、このばしょにいる超常者は、カノジョしかいない」
「ナルホド、了解しました。たしかに、ナニも知らないワタシがひとりでいても、どうしようもないでしょうし」
コウいうと、大空は、公園からでたのであるが、その瞬間、宙にういた。そして、目にも止まらぬ速さで、どこかに一瞬で移動してしまった。
「イヤイヤ、ナンなんだコレは。今さっき、宙にういたとおもったら、どっかに行ったんだけど」
あわてる徳康とは対照的に、岩羽は、落ちついていた。
(この子は、コレを見ても、まったくおどろいてない。というコトは、おそらく、何度も見ているんだろう。その上、そういうコトがデキると、知っているっていうコトか)
先ほどから、つぎつぎに目のまえで起こる、ありえない光景を見せられているために、非げんじつ的なコトであっても、スンナリと信じてしまい、アッサリとみとめてしまうじぶんが、ソコにはいた。
(慣れるっていうのは、ホントウに怖いな)
徳康が、このようにおもっていると、岩羽は、スマホを取りだして、どこかにれんらくしていた。
そして徳康は、れんらくがおわるのを見はからってから、岩羽にたいして、はなしかけたのである。
「え~と、コレからどうすれば良いのかっていうコトを、おしえてほしいんですが」
「ああ、ソウですね。大空さんがいない以上、ワタシがいうベキですね。というか、徳康さんて、ワタシよりも、カナリ年上ですよね。敬語をつかわず、フツウに話してもらえればいいですよ」
「イヤイヤ、しゃかい人としての暮らし、せいかつがながいと、そういうワケにはいかないんですよね。
たしかに、わかいころは、ぐたいてきにいえば、ガクセイのころまでは、敬語なんて、つかっていなかったんですがね。
でも、しゃかい人として、シゴトをして、はたらいた期間・けいけんがながいと、『コトバ遣いっていうのは、カナリたいせつなコトだ』っていうのを、おもいしらされるんですよね」
「そういうモノですかねえ。ソウいえば、大空さんも、フダンとは違って、徳康さんにたいしては、カナリていねいなコトバ遣いをしてましたね。
ソレに、ワタシにたいしても、フダンとは違って、名字にさん付けで呼んでましたし。
コレはたぶん、しゃかい人である徳康さんがいたら、そういうカタチでハナシをしていたんでしょうね」
「見たところ、あの大空さんも、ワタシとおなじくらいの歳だとおもうので、ソウしたんじゃないですか?」
「ナルホド、オトナはタイヘンですね」
「ちなみに、さっき連絡をしていたけれども、ドコに、ナニを連絡していたのか。差しつかえなければ、おしえてほしいんですが」
「ああ、ソウですね。べつに隠すコトではないので、おつたえしますよ。応援を呼んだんです」
「応援?」
「ええ、しょうじきなところ、チョット人手がひつようになりそうなので。超常のチカラを持っているニンゲンで、手の開いてるヒトがいたら、ココにきてください。と、本部にデンワしていました」
「応援ですか。ちなみに、人手がひつようだったら、大空さんもいたほうが、良かった気もするんですが。
シロウト目ながらに、あのヒトって、その超常のチカラを持っているニンゲンのなかでも、カナリ、ランクが上というか、レベルがたかいんじゃないですか?」
「ソレに気がつきました?スゴイですね。チカラをつかう訓練をしてないのに、初見でソレがわかったのは、チョットおどろきです。
ソウなんですよ。あのヒトを越えるヒトは、たぶん、いないんじゃないかとおもいます」
「というと、一番上というか、エライたちばのヒトっていうコトですか?」
「イエ、たちばが一番上っていうワケではないんです。たんじゅんに、つよさというか、超常のチカラをつかってナニカをおこなったり、たたかったりするときに、一番スゴイし、つよいっていうコトです」
(今この子は、たたかう。といったけど、この超常者っていうヒトたちは、ナニカ、物騒なコトをやっているのか?)
じぶんが関わったニンゲンが、ナニやら、アブナイ、キケンなコトをやってるのではないか。
というコトを、徳康としては、チョット危惧してしまうのであったが、今さら、どうしようもナイであろう。
「今、たたかうといっていましたけど、今からそういう、物騒なコトがはじまる。っていうコトでしょうか?」
「もしかしたら、そうなる可能性も、なきにしもあらず。です」
「だったら、その一番スゴイというか、つよいっていう大空さんがいたほうが、良い気がするんですが」
「おそらく、大空さんとしては、本部のほうが、アブナイとかんがえたんでしょうね。ですから、本部のようすを、まっさきに見に行ったんだとおもいます」
「ナルホド、ソレで、このばしょは、岩羽さんに任されたと」
こう徳康が聞くと、岩羽は、すこしわらって答えた。
「ソウですね。ワタシと徳康さんに」




