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From: ゴミから始まる異世界生活 〜拾い集めて世界最強〜  作者: 水無月いい人
第三章 覚醒 『青年編』

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第17話:第三の生命

お読みいただきありがとうございます!


本編の前に少しだけ。

更新の励みになりますので、ブクマや★★★★★をいただけると嬉しいです。


それでは、本編をお楽しみください。

熱い。痛い。


 目がぼやけて、もう誰が何を言っているのかすら分からない。

 死の間際。


 ただ──

 一人、また目の前で命が失われたことだけは分かった。


 俺はなぜ未だに生きている……?腹に穴が空いてんだぞ?


 そして、その元凶に向かっていく男の姿が、微かに見えた。


 俺にはもう、何も見えない。

 誰が何を喋っているのかすら分からない。


 ただ、全身が熱くて、だるくて──


 それでも伝わってくる。この空気の震え。


 “人外”と“魔族”の戦闘の、余波が。


「ンガアアアアアアアアアアアッ」


 どっちの声かも分からない。

 瀕死の俺に伝わる衝撃が、骨の芯まで響いてくる。


 早く──

 早く、死なせてくれ。


 


  【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】


 


 またか。

 お前は、どこまで俺を……。


 ……何にだ?


 何に対して、発動可能なんだ?


 


【……】


 


 やっぱり、答えない。

 そうだよなお前は、いつだって一方通行だった。


 ここに、ゴミなんて落ちてない。

 お前の判断はいつも間違って──


 


  【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】


 


 もういいって言ってんだろうが!

 ……いい加減、俺を楽にさせてくれ……。


 ここにゴミなんて、落ちてねぇんだよ。


 


 …………静かになった。


 どっちが勝った……?

 イデアか?それとも、あの黒いやつか……?


 


「……わたし……」


 


 お前かよ……。

 イデアのやつ、あんなに勝ちムーブ出しておいて、結局死んだのかよ。


 ……この国は、この世界は──もう終わりだ。


 ()()()()()()()()()()


 


 ──全く、この世界はゴミだ。


 


  【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】


 


「…………しょう……ねん」


 


 イデアの声が聞こえてきた。

 それは、あまりにも弱々しいものだった。


「……君に……たく……した……」


 


 瀕死の俺に、何を託すってんだよ。


 力を振り絞り、重い瞼を開く。

 うっすらとぼやける視界に映ったのは──


 イデアの()()()()()()


 上半身だけの彼が、這いずって俺のところへと近づいてきていた。


「……君に」


 


 既に魔族はいない。きっとまた無差別な殺戮にでも出かけたんだろう。

 

 なのに、イデアは俺の前に来て、笑って──


「たく……す」


 


 こいつ今笑って……いやそうじゃない!無理だって!

 俺も瀕死なんだよ。お前、馬鹿なのか……?


 


  【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】


 


 もう、お前は黙れ。


 


 【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】

 【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】

 【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】


 


 うるせえええええええええええっ!!

 黙れ!ここにゴミは無いんだ!!


 お前の出番は……もう…………


 


「……」


 


 俺の最後の視界に映ったのは──

 イデアの、穏やかな笑顔だった。


 まるで、自分を使えと……言っているかのような。


 


 【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】


 


 ……まさか。


 スキル。お前は……イデアを“ゴミ”と言いたいのか?


 


 【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】


 


 ふざけんなよ……人間はゴミじゃない。


 ゴミなのは、魔族のほうだ。

 勘違いするなよ……?


 

 ……でも。


 それでも、お前はコイツを“ゴミ”だというのか……?

 もう役割を終えたとでも言いたいのか。



  【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)を発動可能です】


 


 お前、それしか言わねぇのな。やっぱお前とはとことん合わねぇのな。

一方通行で俺の話なんて聞きやしない。ただ俺の命に関わる時にだけ警告するように同じ言葉を連呼する。


 まるで俺を死なせないとでも言うかのように何度も何度も何度も……


 俺はお前が嫌いだスキル。


 機械みてぇなお前がな。……せめて会話くらい交わそうぜ。


 

 ……分かったよ。分かった。


 お前の言う通りにしてやる。


 


 ただし一つだけ言いたいことがある。


 

 ──ゴミはイデアだけじゃない。


 

 ()()()()()()()()()()


 

 俺は、最後の力を振り絞り、

 イデアへと、手を伸ばした。


 

 そして、俺の視界は──

 そこで、途絶えた。


---


 熱。痛み。

 意識は既に朦朧としていた。


 でも……それでも──


 最後に、確かに見たんだ。

 イデアの、あの顔を。


 やつは涙を流しながら笑ってた。

 

 こんな時に、笑ってやがった。


 お前、ほんとに……最後の最後まで、意味わかんねぇ奴だったな。


 でも、きっとあれは──


 俺に自分を「使え」って、言ってたんだろ?



 ──だったら使ってやるよ。



 この腐った世界を、丸ごとぶち込む“箱”として。

 お前の死も、俺の死も、このスキルに叩き込んで──


 

 全て終わらせてやる。


 

【ユニークスキル:廃棄収納(トラッシュボックス)──起動】


 


 黒く、重く、どこまでも深い穴が、目の前に口を開いた。


 まるで地獄の底だ。

 いや、違う。あれは“無”だ。全てを呑み込む、世界の果て。


 


「……俺のスキルの中で眠れ、イデア」


 


 握った手が、ぐらつく。

 崩れ落ちそうな腕に、残った力を込めて──


 


「これで、終わりにしてやる……」


 


 俺の手が、彼を飲み込んだ。


 世界が、視界が、音もなく、歪んだ。


 目の奥が焼けつくような痛み。


 脳に直接、何かが流れ込んでくる。


 それは、イデアが持っていたものだった。


 感情。

 

 後悔。

 

 誓い。

 

 怒り。

 

 孤独。

 

 そして、希望。


 その全てが、俺の中に──叩き込まれた。


 

「があああああああああああああああッ!!!」


 

 頭が割れそうだった。


 体が千切れるほど、熱を帯びていく。


 臓腑が焼け、骨が軋み、血が沸騰する。


 

 だが、ここで止まれない。


 俺は──まだ、“何も始めていない”。



 この世界がどれだけゴミに塗れていようが。

 俺がどれだけ弱かろうが。


 ぶち壊すんだ。


 全部、全部だ。全部壊して廃にして破棄する。


 

 あの日、アレシアの笑顔を見たあの場所へ──

 もう一度、帰るために。


 

 そうして俺は──


 第三の命を、手に入れた。


ご覧いただきありがとうございました!

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『From: ゴミから始まる異世界生活 〜拾い集めて世界最強〜 』

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