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ゴンドラ乗りの誇り

────と、まあ。かっこつけて言ったはいいものの。


「いいじゃないですかぁ。ここ座ってくださいよぉドルニカ元ゴンドラ協会長。僕らとご飯食べながらお話ししようって言ってるだけじゃないですかぁ」


「いやだからっ!今仕事中なんで!っていうかアンタ達誰だよ!?」


「至極まっとうな拒否と至極もっともな疑問だなぁ」


どうやら発足したてのおもてなし本部のロゴはまだ一般に浸透していないらしく、僕の印籠は怪訝な顔一つであっさり流されてしまった。


仕方なくぐいぐいと腕を引っ張って座らせようとするのだが、まあ当然のごとく拒否られ続けている。危ない客を見る目で僕を見るドルニカさんは声こそ荒げないものの大分お困りの様子であった。


ロイドは手伝うこともせずのんびりと食事を続けている。この野郎働け!


くっ……ならば正攻法を取るまでよ、と僕はドルニカさんの腕から手を放し厨房に向かって大きな声を上げた。


「すみませーん!ちょっとお父さんお借りしたいんですけどいいですかぁ!?」


「あっちょ!?」


「はい!?アンタ料理出しに行っただけなのに何してんだい!?」


「俺は何もしてねぇ!」


すっ飛んできたおばちゃんにドルニカさんはたじたじで首を振る。

どうやらクレームだと思われてしまっているようだ。誤解を生んでしまったことに申し訳なさを感じつつ、青い顔のおばちゃんに慌てて名刺を差し出した。


「ちょっとお話聞かせていただきたいだけなんです。僕らこういうものでして」


「はあ……?モンスター・ニンゲン友好条約……締結対応政策……親善……大使……?」


夫婦揃って同じような仕草で名刺をのぞき込み、僕の顔を見たふたりはざあっと顔を青くした。

そしてのそのまま、店の出入り口付近に置かれた雑誌コーナーの最新号MonMonを見て、またも僕の顔を振り返った夫婦はガバァッと音が出そうな程の勢いで頭を下げた。


「ももももももも!申し訳御座いませんでしたああああ!!!!」


「そ、そんな偉い方達がこんな何もない街に来るとは思っておりませんで!!ご無礼を!!ごめんなさい!!」


「えっ!?いやいやいや顔を上げてください!僕そんな偉いモンスターとかじゃないんです!」


まるで打ち首獄門だけはお許しをっ!と言わんばかりに震えて頭を下げるふたりにあわあわと慌てる。めちゃくちゃ権力を笠に着てる悪党の気持ちになるからやめてくれ!


必死に頭を上げさせようと奮闘するも変わらない状況に心底困り果てる。対面で他モン事のように騒動を眺めるロイドに僕は泣きついた。


「ロイドもなんか言ってよ!」


「え?あー……コイツ肩書は立派なだけのただの大食漢なんでそんなにかしこまらなくとも大丈……いってぇな!」


「立派な肩書きを僕に押し付けたのはアンタらでしょうが!そして女子を大食漢とか言うな!」


「ええ……?あの……?」


再びロイドの脛を蹴り上げ文句をつける。権威も何も感じられないギャーギャーとした言い合いに、ドルニカ夫婦は困惑を顔に張り付けながらも顔を上げた。


その視線に我に返った僕はこほんと咳ばらいを一つして場を整え、改めてふたりに────否。あのガキ大将の父であり、かつてこのウェルデの一大産業であったゴンドラ運送業の責任者を務めていた赤髪の魚人族に向き直る。


「失礼しました。今日は現在検討中の新事業に関して、以前この街のゴンドラ乗りの代表であった貴方に伺いたいことがありまして参りました。少々お時間いただけますか?」


そういって資料を取り出しにっこり笑った僕に、ドルニカ元ゴンドラ協会長は困惑顔……ではなく、物凄く嫌そうな表情を浮かべるのであった。


















昨日のウェルデ領主への脅迫、もとい打ち合わせが終わった後。僕は博士とロイドと共にウェルデのゴンドラ運送業についてもう一度調べなおしていた。


すると驚いたことに、あの生意気な少年たちのリーダー、魚人族のガキ大将の父がゴンドラ乗りの水夫たちを纏める協会の長であったことを知ったのだ。


彼自身協会長職は約4年前に辞職しているようではあり、彼の辞職を機にゴンドラ協会は解散となっていたが、しかし最直近の協会長であればこの都市に何があったか知っているに違いない。


善は急げとばかりに早速僕らは彼が現在働いているカフェに突撃し、過去の話を伺いがてら水上パレードへの協力の要請をしに来た訳なのだが。


「お断りします」


ランチプレートを食べ終わった僕らの対面に座ったドルニカさんは、酷く凪いだ表情でそう言い放った。

まさかの取り付く暇もない拒否に思わず眉をしかめる。


「……それは、過去のお話をするのが?それとも水上パレードへの協力に?」


「どちらもです。アンタらがこの都市を活性化させるために領主と何やら企んでいるのは知っていましたが、オレらとしては関係のない話ですから。領主は昔『もうこの都市にゴンドラは不要』と言ったんです。ならば突き通してもらわないと」


「はあ?ゴンドラは不要?あのたぬ……領主様が仰ったんですか?」


とんでもない発言に身を乗り出す。確かに転移門や魔導車のせいで廃れ気味であったかもしれないが、それでも数年前まで……それこそドルニカさんが協会長職を辞し、協会が解体されるまではまだウェルデにゴンドラ乗りはいたのだ。


その産業に支えられてきた都市の最高責任者である領主が、一方的にもう不要と断じるのはどういった了見だろうか。


何を思ってそんなことを言ったのかは知らないが、そのゴンドラで生計を立てていたモンスターの生活のことを考えていたらそんな発言とてもできないはずだが。どうするつもりだったのだろうか。


「……アンタたちも手を引いた方がいいと思いますよ。あの領主は目先のことしか考えていない。共同事業なんて起こしたら何されるか分かったもんじゃないですよ。……前領主様はそんなことなかったんですがね」


「その判断をするためにもお話を伺わせてください。領主様はこの件を詳しく語りたがらないんです」


「ハッ、そうでしょうね。あの狸とっちゃ最大の汚点だ、闇に葬れるなら葬りたいんでしょう。その結果がこの都市の現状です。……もう思い出したくもないんで。お引き取りを」


そう言ってドルニカさんは心底軽蔑したような顔で立ち上がった。もう話すことはないと言わんばかりに「本日はご来店ありがとうございました」と厨房に戻ろうとする。


しかしはいそうですか、と帰すわけにはいかない。僕は慌ててその手を掴んだ。


「待ってください!嫌な過去を掘り返すことになるのは重々承知ですし、申し訳ないと思っています。ですが……」


「なぜそこまでゴンドラに固執するんです?別の活性化案を考えればいいじゃないですか」


「そう、ですが……僕らには時間が……」


悠長に今から新しい事業案を考える時間はないのだ。それに僕の知識的にもこの都市の特色を生かしたニンゲン文化等が他にあるべくもなく。


こちらに背を向け続けるドルニカさんを縋るように見上げた。


「……ドルニカさん。その話ってこの開発計画と関係あるか?」


ふと、隣のロイドがテーブルに資料の束をバサリと置いた。何のことかと僕は思わずロイドを見る。

ドルニカさんは苦いものを嚙み潰したような顔で振り返った。


「……知ってるじゃねえですか」


「確証が無かったもんでね。まさかとは思うがこの計画のためにゴンドラは没収されたのか?」


「え?没収?どういうこと?」


不穏すぎる内容にロイドとドルニカさんの顔を見比べる。資料を読めとロイドに視線促され、『ウェルデ都市庁舎前開発計画案』と銘打たれた資料へ手を伸ばした。


どうやら今から5年前に立ち上がった開発計画案のようだ。都市庁舎前に大型商業施設を含むショッピングモールの建設を計画していたようで、かなり大きな土地を使う予定だったようだ。


しかしそんなものは一切無かったが……。一体この計画がゴンドラとどう関係しているんだろうか。


「領主への説明資料を作る為に陛下が送ってきた大量の資料の中に入っていた。これ、丁度アンタが協会長を辞職した直後に白紙になっているな」


「……」


振り返った姿勢のまま黙りこくるドルニカさん。しかしロイドは構わず続けた。


「関係なさそうだなとは思ったんだが、ちょっと時期が時期だから王城の官僚に詳細を問い合わせたんだ。どうやら当時王城側が採算が取れる見込みがあるのかシミュレーションした所見込み薄だったから、ウェルデ側へ見直し要求したらしいな。そしたら白紙になったんだってよ。……ただその官僚曰く、この計画の予算案すげー不自然らしい」


「不自然……?」


「やけにウェルデ側が提示した予算が多いんだ。当時の税収を考えるとどこからこんな金が出てくるのか不思議なほど、な」


出所不明の予算。あまりにもきな臭いワードに嫌な予感をひしひしと覚えた。ドルニカさんは未だ沈黙を貫いている。

ロイドは頬杖をつくと、資料をヒラヒラと掲げた。


「まあその不自然さもあって王城は突っぱねたんだろうけどな。……そんで、この金ってどっから出てきたんだろうな?ドルニカさん」


確信めいたロイドの言葉と、黙るドルニカさん。一台もない個モン所有のゴンドラ。そして領主様が言ったという『もうゴンドラは不要』との言葉。これらが示す事実とはつまり。


たどり着いた真実があまりにも闇が深すぎて、僕は茫然とした。


「ゴンドラを売って、開発計画の予算に回したってこと……?いやでも!ゴンドラはゴンドラ乗りの水夫の資産でしょ!?いくら領主といえども強制的に没収なんて……」


「……ゴンドラを水路で使用するには、都市庁舎が発行する通行許可証が必要なんです。数年毎に更新が必要なんですが、領主はこの開発計画が持ち上がった際に『ゴンドラ運送業はもう儲からない。むしろ通行許可証を発行する予算が勿体ないから今後一切発行を取り止める。ショッピングモールが新たな事業となるからもうゴンドラは不要だ』と言ったんです。通行証が無ければゴンドラは使えない。使えないゴンドラは回収すると……」


「い、いやいや待ってください!そんなことがまかり通るんですか!?横暴にも程があるでしょう!?」


諦めたように語られた事実に思わず立ち上がる。勢いがつきすぎてテーブルの上のグラスがガチャンと鳴るが、とても気にしてられる心境ではなかった。


つまりなんだ。予算工面のために領主はゴンドラを使えなくし、水夫がゴンドラを手放さざるを得ないようにしたと?マッチポンプやんけ!


聞けば、ゴンドラを領主に差し出した水夫は、優先的にショッピングモールで雇い入れるという話にはなったようだが……それにしたって最低最悪すぎる。許されることではない。


「なんで……反対はしなかったのですか!?」


「したに決まっているだろう。しかし都市庁舎は領主の決定通り通行許可証の発行を取り止めたんだ。いくらオレ達が抗議してもそれが覆ることはなかった。それどころか、使えなくともゴンドラを売ることはしないと主張したモンスターにまでアイツは圧力を掛けて……」


「大型魔道具は高いからな、中古でもいい値で売れる。どんな手を使ってでも確保する必要があると判断したんだろう。……どうかとは思うが」


嫌な顔を隠そうともしないロイドに全面同意する。裏があるとは思っていたがこれは最悪だ。


計画が頓挫した後、通行許可書発行の取りやめは撤廃されたようだがそんなものゴンドラを失った水夫からすればそんなもの何の意味もない。


一応領主より水夫には見舞金が振舞われたそうだが、ゴンドラを買いなおすには到底足りない額であったため、職を失ったモンスターにとってそれは一時的なその場しのぎにしかならなかった。


大型魔道具は、というよりも大型魔道具に内蔵されている魔石とは一般的に超高級品だ。

陛下を交えた打ち合わせの時、ミモザが『いくらでも用意できる』と言っていたが、あれはリライヴェッジ(うち)だからである。腐っても王国認定だ、王国より年間採掘量の何パーセントかを融通するような契約になっているのだそうだ。


同じ量の魔石を一都市が短時間で工面するとなると、かなり苦労が予想される。その為領主は強硬策に出たのだろう。


「オレら水夫にとって、ゴンドラっつーのは先祖代々受け継いできた大事な商売道具だ。そんな大切なものを無理やり奪ってはした金に変えたんだ、あの領主は。……オレらがあの領主に協力したくない理由は分かっていただけましたかね。アンタ達には悪いと思いますが諦めてください。水夫は誰もあの領主の下で働きたいとは思いませんよ」


「……」


ドルニカさんの顔は疲れ切っていた。きっと水夫を守るためにずっと戦ったのだろう。いい感情を持てないどころか憎むのも当然だし、僕自身も領主様に対して不信感しか覚えない。


そんな話を聞いてしまうと、ウェルデの水夫たちに協力を強いるのは酷な気がしてきてしまう。しかし今から水魔法に適性のあるモンスターにゴンドラ操縦を覚えてもらうなんてとても現実的ではない。


沈黙が落ちる。どうやらおかみさんも耳の長い店員さんも僕らの話をこっそり聞いていたようだ。非常に苦い顔で厨房からこちらを伺っている。


こんな領主の横暴がまかり通るだなんて。陛下はこの事実を知っているのだろうか……。


途方に暮れていると、ロイドが静かに口を開いた。


「……なあ、ドルニカさん。俺らおもてなし本部は王城とリライヴェッジ研究所の共同組織で、国王陛下直下だ。アンタらよりも陛下に声は届けやすい立場だと思う」


「はあ?まあそうでしょうが……」


「つまり、アンタら水夫のそのやるせない気持ちを代わりに陛下に上申できるってことだよ。陛下にあの領主がやったことを伝える。きっとただでは済まないだろうなぁ」


「ロイド!?」


「……そりゃ、アンタ……」


遠まわしにあの狸を領主の座から引きずり降ろすことができると言うロイドに声を上げる。確かにあの狸はしたことは許されないし、領主なんて器ではないと僕も思うが、今領主交代などが発生すれば余計に事業が遅れてしまう。


慌ててロイドを止めようとするが、しかし分かっているとばかりに僕の言葉はロイドの視線によって逆に止められてしまった。


「ま、こちらとしても目的があるから今すぐという約束はできないけどな。そして俺らは正義のヒーローという訳ではないからそれなりの見返りも求める。具体的には水上パレードへの参加をゴンドラ協会の元会員たちに打診してくれ。無理に引っ張ってこいとは言わねーが、こちらとしては王城と連携して以前よりも好条件で雇い入れる準備をしていることは伝えてほしい。……数年耐えてくれれば上司がすげ変わるであろうこともな」


片目をつむるロイドの言葉にドルニカさんは立ったまま俯いた。その顔は苦悶に歪んでいる。


黙ってドルニカさんの言葉を待つ。溶けたグラスの中の氷がからん、と音を立てると同時に、ドルニカさんは絞り出すように低い声で言った。


「……断る」


「理由は?」


「……確かにあの狸のことは憎い。先祖代々受け継いできたゴンドラをあんな形で没収し、開発計画が破綻した後も『もう換金してしまったから』って返すこともせず……。あの領主のせいで何にんの水夫がこの都市を去ることになったか。都市の過疎化?自業自得だろうというのが正直なところだし、もう十分苦しんだ仲間たちに数年とはいえあの領主の下で働けと言うなんてことオレにはできん」


「ドルニカさん……」


ギリ、と歯を鳴らすドルニカさん。気まずい空気の中が流れる。


当然だ。彼らがされたことを考えれば、もう領主と関わりあいたくないと思うのは当たり前なことだ。


きっと水夫の中には、領主が信用できないからという理由で去ったモンスターもいるだろう。

自業自得。まさしくそれに限る。


重たい沈黙が横たわる店内に苦笑いした彼は「それに」と続けた。


「ゴンドラっつーのは俺らの誇りなんだよ。そしてオレらは誇り高きゴンドラ乗りだ。ゴンドラを、水を操って早く確実に物資やモンスターを運ぶのが仕事だ。……パレードだが何だか知らんが、そんなチャラチャラしたものの為にゴンドラは動かせねぇな。性に合わん」


「ちゃ、チャラチャラ……!?」


その言葉で同情一色であった僕の心に、同情以外の感情が芽生える。ちゃらちゃら、チャラチャラと言ったか?


そんな軽薄でお遊びな事業だと思われているのか……?陛下の無茶ぶりに振り回され、死にそうなほど大変な思いをしているのに……?


「ふ、ふふ……」


思わず笑いがこみ上げる。ああなるほど、なるほどなぁ。そうだよなぁ、パレードなんてチャラチャラした遊びに誇りなんて掛けられないよなぁ、ああなるほど?


「なるほど。貴方の仰りたいことは分かりました。ええ」


「あー、ラウさん?ちょっと落ち着い……」


嫌な予感を覚えたらしいロイドが困った顔で僕を制止しようとするが、僕は無視して淑女の笑みを浮かべた。


「話は変わるのですが、先日領主様へあいさつに伺った時にドルニカさんのお子さんとそのお友達と遊んだんですよ」


「え?」


「いやぁ、子供は元気でいいですよねぇ。やっぱり水が豊富な都市だからですかね、水鉄砲で遊んだんですがアレすごい本格的ですねぇ。この都市の子供たちはみんなああいうの持ってるんですか?」


「はあ……?あいや、うちの息子がお世話になったようで……」


困惑しながら頭を下げるドルニカさんに「いやいや」とにこやかに手を振る。


「僕も油断してまんまと撃たれちゃったんですよね、マシンガンみたいな超乱射式水鉄砲で。『売国奴』とか言われちゃったりね、ははは。いやぁ最近の言葉は難しい言葉よく知っていますね。売国奴どころかニンゲンからモンスターを守るための政策なんですけどねぇ、はははははは」


ヒュッと息をのむドルニカさんに笑いかける。なーんであんな小さい子供が売国奴なんて言葉知ってるんろうねぇ?ねえなんでだと思うー?ドルニカさーん?


あちゃーとばかりに片手で顔を覆うロイドの隣でにこにこ、にーこにことドルニカさんを見上げると、青を通り越して白くなった顔色でガバァッと勢い良く頭を下げた。


「もももももも申し訳ございませんんんんんっ!!うちの愚息がぁぁ!!」


「やだなぁ、別にドルニカさんのお子さんがとは言ってないじゃないですか。ところで全然別件なんですけどね?」


「はいっ!!」


両手をテーブルの上で組んで小首を傾げると、ドルニカさんは素晴らしく速い動きで対面の椅子に着席する。うんうん、モンスターの話を聞くときは目を見て話した方がいいよね。


微笑みながらじいっとドルニカさんを見つめると、まるで肉食獣に目をつけられた小動物のような雰囲気で冷や汗をだらだらと流した。


「今僕ちょっと考えていることがあるんですよねぇ。是非是非ドルニカさんからもご意見を伺いたいと思ってるんです。そうですねぇ……来週もう一度お時間いただてもいいですか?」


ゴンドラ乗りの誇りね、うんうん自分の仕事に誇りを持つことはいいことだ。大いに結構。


速さが、物資やモンスターを確実に運ぶことが誇りだというのなら、その誇りを発揮できる場所を僕が提供してやろうじゃないか。


僕のお願いに、ドルニカさんは快く何度も何度も頷いてくれたのだった。────何故か、とっても怯えた顔をしていたけれども。



Xのアカウントを開設しました。たまに簡単なイラストを投稿します。よければフォローお願いします→@fujikiyou

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