ふぐり転生~目が覚めたらねこのふぐり(左)(摘出済み)だった件
左ω(摘出済み)「……」
気づけば私は、半透明になっていた。
ふわふわ浮いている。
下を見ると、術後のねこ。
エリザベスカラー装備。
歩くたびに、
コツッ
カコッ
ボスッ
と、いろんな場所にぶつかっている。
左ω「不器用すぎる……」
右ω(摘出済み)「おーい左ー!」
左ω「うるさいのが来た」
右ω「摘出界の新人歓迎会いくぞ!」
左ω「行きたくない」
右ω「マグロ味ちゅ〜るの霊気が出るらしい」
左ω「行く」
会場。
そこには歴戦の元ふぐりたちが集っていた。
茶ω「お、新入り」
黒ω「左側か。珍しいな」
左ω「左右で派閥ほんとにあるんだ……」
壇上へ現れる巨大な存在。
超左ω『静粛に』
左ω「始祖レフト様」
始祖レフト『本日は、“摘出から一年以上たったのに時々そこを舐めようとする猫たち”へ黙祷を捧げる』
全ω「……」
右ω「泣ける」
左ω「わりとシュール」
その時。
空間に緊急警報が鳴り響いた。
ピコーン
ピコーン
係員ω『大変です!現世で“無いのに蹴られる現象”が発生しました!』
ざわつく会場。
左ω「無いのに蹴られる?」
始祖レフト『……来たか。“幻の後ろ足キック”』
右ω「なんだそれ」
始祖レフト『猫は時に、存在しないはずの違和感を感じる』
映像投影。
ねこ「……」
カキカキカキッ!!
空振り。
ねこ「?」(混乱)
かいぬし「どうしたの!?かわいいねぇ!」
左ω「ちょっとかわいそう」
始祖レフト『左よ』
左ω「はい」
始祖レフト『お前には現世任務を与える』
左ω「嫌な予感」
始祖レフト『猫が壁にエリザベスカラーをぶつける瞬間、“ちょっとだけ角度補正”してやれ』
左ω「地味」
始祖レフト『転倒防止だ。重要任務である』
左ω「まあ……それなら……」
現世。
ねこ「にゃー」
フラツッ
左ω(霊体)「おっと」
スッ……
エリザベスカラー、絶妙に障害物を回避。
ねこ「!」
かいぬし「えっ!?今めっちゃ上手に避けた!?」
左ω「……」
右ω(遠くから)「守護霊っぽいことしてるー!!」
左ω「うるさい」




