第三十話
「王族会議?」
「そうですよ、年に一回、エルバストで様々な国の王族が集まって会議をするのです。」
瑠莉奈の言葉に、俺は首を傾げる。
俺って、王族じゃないと思うんだけど……。
「俺達のところに来てるのか?」
「えぇ、ヒビキの国が発展してるのが噂で聞こえたみたいですよ?」
「成程ね~。」
これは、ある意味チャンスだ。
他の国との連携もとれるし、同盟を組めそうだ。
「よし、王族会議に行こう。」
「そう言うと思って、すでに準備をしております。」
俺が準備しようとすると、瑠莉奈がすでに用意していた。
何というか、早いな~。
「さぁさぁ、あなた、こちらに着替えてくださいな。」
「あ、うん。」
瑠莉奈が用意してくれいていた衣装に、俺は着替える。
護衛は桜と冬樹だ。
俺と瑠莉奈は、馬車に乗って行くことになった。
道中、モンスターが現れるが、桜が倒していく。
「流石は桜、あの時よりも強くなってないか?」
「そうですね、頼もしいことです。」
「一応、私の結界も張って入るんですけどね……。」
冬樹の結界を張りながら進んでいるが、主に桜が率先して倒していく。
「殿、モンスターたちを倒しておきました!!」
そう報告する桜が、褒めてほしい犬に見えてきた。
疲れてるのかな、俺。
「ありがとう、でも、結界も張ってあるから大丈夫だよ。」
「いえ!! 結界があっても、いざという時、動かなければならぬのですから!!」
「そ、そっか、ありがとう。」
桜は嬉しそうに返事をし、護衛へと戻って行った。
「冬樹は大丈夫? 結界って結構体力使うと思うけど……。」
「ご心配には及びません、この結界は少しの力で張っているので。」
それなら安心か。
そう思いながら、俺達は目的地のエルバストに向かうのだった。
一方、アリネスでは悪田たちが回復していた。
「王族会議だぁ?」
「は、はい、エルバストで年に一回の会議が行われるとのことで……。」
「めんどくせー、そんなのほっとけばいいじゃねぇかよ。」
「そ、そうはいかず、我らが王も行くとのことで、勇者同伴しろとのことです……。」
悪田は舌打ちをしながら、準備をする。
その頃のダーメル王は、派手な冠を付けていた。
「ワッハッハ!! どうだ!! この姿は!!」
「えぇ!! とても派手でございます!!」
新たな大臣が、ダーメル王の姿を見て褒めている。
「よし!! エルバストへ向かうぞ!!」
こうして、ダーメル王と悪田はエルバストへ向かっていった。
道中はモンスターが出ず、安心して進んでいった。
「よし、エルバストへ着いたな。」
俺達はエルバストへ着き、門兵に紹介状を渡す。
門兵は笑顔で通してくれた。
そして、城へ着き、部屋へと案内される。
そこには、各国の王と護衛がいた。
「おぉ、誠殿!! 久しいな!!」
「お久しぶりです、ブレイアル王。」
話しかけてきたブレイアル王に、俺は頭下げる。
そして、ジャローデス王も話しかけてくる。
「誠よ!! 久しぶりだ!!」
「ジャローデス王も、お久しぶりです。」
二人の王が、俺に話しかけてくるのをみて、他の国の王が騒ぎ始める。
「あれがヒビキの国の殿か?」
「何だか若いな。」
「だが、やり手な感じもするな。」
そんな話が聞こえてくる。
すると、ブレイアル王がキョロキョロする。
「おや、アリネスのダーメル王はまだか?」
「どうやら、遅れてくるみたいですよ。」
ブレイアル王の言葉に、アルテイルが報告する。
すると、扉が力強く開く。
「やぁやぁ!! 遅れて申し訳ない!!」
そこには悪田を連れた、俺を追い出したダーメル王が来た。
ブレイアル王は、苦い顔をする。
「ダーメル王、遅刻とは情けないぞ。」
「いやいや、それだけ安全ということなのだよ。」
そんなことを言っていると、ダーメル王と悪田がこっちを見た。
「き、貴様は如月誠!? 生きておったのか!!」
「マジかよ!! あの時、死んだんだと思ってたのに!!」
ダーメルをは怒り、悪田は指をさして笑う。
こいつ、勇者のくせにオーラがないな……。
「貴様!! 何故ここにいる!? ここにいていいのは、王族だけだぞ!!」
「その王族が俺なんだよ。」
「はぁ!? 嘘つくんじゃねーよ!!」
俺の言葉に、悪田が突っかかってくる。
どうしようかと悩んでいると、瑠莉奈が前に出てきた。
「すみませんが、我が夫を侮辱なさることはやめてくれませんか?」
「な、何だと!?」
ダーメル王は瑠莉奈の言葉に、憤慨する。
悪田は、瑠莉奈を見てボーっとしている。
その時、ブレイアル王がパンパンと手を叩く。
「取り合えず、会議を始めるぞ。」
「ふ、ふん!! わかっておる!!」
「申し訳ございません。」
ダーメル王はいまだに憤慨し、瑠莉奈が頭を下げる。
瑠莉奈が悪いわけじゃないのに……。
こうして、王族会議が始まった。




