第二十七話
ついにこの日が来た。
フル―レスに攻め込む日が。
「とうとう来たな……。」
俺は思わず武者震いをする。
その緊張が皆にも伝わる。
「皆!! 俺達は負けに行くんじゃない!! フル―レスの無念を晴らすために、この日が来たんだ!!」
俺の言葉に、皆の目つきが変わった。
絶対に負けない、そんな視線が伝わる。
「行くぞ!! 出陣だ!!」
「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」」」」
「それじゃ、数間、穂香、冬樹、留守は頼んだよ。」
俺は三人に、守りを頼んでいた。
その言葉に、三人は頷く。
「殿、気を付けてなぁ。」
「守りはお任せください~。」
「そうか、ご武運を。」
こうして、フル―レスに向けて進軍を開始した。
その頃、フル―レスは魔物たちが出陣し、守りを固めていた。
「姫、守りを固めました。」
「ご苦労様です。」
フル―レスの姫『カーネ』は報告した魔物をねぎらった。
しかし、次の瞬間、魔物の体を黒い何かが貫いた。
「グハッ!? ひ、姫……!?」
「報告はありがたいのですが、今の私は不機嫌、よって死刑です。」
顔をしかめたまま、黒い何かは魔物を飲み込んだ。
すると、ローブを着た男が姿を現す。
「相変わらず、残忍だな。」
「あらあら『フェルス』さん、あなたも死にたいのですか?」
カーネの言葉に、フェルスは顔を振る。
「それは勘弁だ、それよりも大丈夫なのか?」
「あら、何か問題でも?」
「奴らは同盟を組んでいる、訓練もなしにそのまま実践は厳しいと思うがな。」
フェルスの指摘に、カーネは不敵な笑みを浮かべる。
「問題ないですよ、死んだのであれば、また産めば問題ないですし。」
そう言ううと、黒い何かが黒い球を吐き出す。
黒い球が割れると、魔物が誕生した。
「さぁ、あなたも守りに着きなさい。」
「かしこまりました。」
魔物は、言われたとおりに、外に出て行った。
「相変わらず不気味な能力だな。」
「フフフ、これも魔王様の恩恵ですね。」
「まぁ、頑張れよ。」
「言われなくとも。」
フェルスはその場を去って行った。
「さぁ、惨劇の始まりですよ。」
カーネはにっこりと笑い、玉座に座りなおした。
一方、俺達は持ち場へと着く。
「殿、兵士の配置が完了しました。」
「エルバストも配置が完了したっすよ。」
「セルベルスも。」
桜、流ノ介、水無月の報告を受ける。
「よし、法螺貝を吹け!!」
「はっ!!」
兵士の一人が法螺貝を吹く。
いよいよ大戦の始まりだ。
「撃てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
桜の合図に合わせ、アサルトライフル部隊が射撃を開始する。
発射された弾丸の雨が、魔物たちを貫いていく。
あっちは大騒ぎだろう。
「殿!! 第一部隊射撃完了です!!」
「よし!! このまま撃ち抜け!!」
俺の言葉に桜が合図を送る。
部隊が変わり第二部隊が、射撃を開始する。
そして、弾丸の雨が襲い掛かる。
「殿!! エルバストが進軍したっすよ!!」
「セルベストも進軍を開始した。」
「わかった、俺達も進軍するぞ!!」
「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」」」」」
俺達は進軍を開始した。
残った魔物たちを、倒しながら城へと乗りんでいく。
一方で魔物サイドは、大混乱を起こしていた。
「な、何だあれ!?」
「あんなのがあるなんて、聞いてないぞ!?」
「逃げろ!! あんなのに敵うわけねぇ!!」
弾丸の雨に恐れ、中には逃げ出す者もいた。
そこを逃さずに、三方向から進軍されていった。
「ひ、姫!! 我が軍が殲滅寸前です!!」
「あらあら、どうしたのでしょう。」
「わ、解りません!! 三方向から何かが飛んできて――」
報告の途中の魔物に、黒い何かがまた魔物を貫いた。
「解りませんじゃないの、殺すの。」
そして、また黒い何かは、魔物を飲み込んだ。
「さてさて、ヒビキの殿様、どう殺してあげましょうか。」
ウフフ、と残忍な笑顔を浮かべ、進軍してくる者たちを待っていた。
俺達は城の中に突入していた。
襲い掛かってくる魔物を足しながら、進んでいく。
「何故か、自棄になっているのは気のせいでしょうか?」
「それもそうでしょう、今のカーネ姫は残忍な性格になっているんですから。」
セルベストの言葉にガーネストが答えた。
どうやら、カーネ姫ってのは最悪な性格らしいな。
「ここから先は通さんぞ!!」
まだまだ魔物たちが現れ、俺達に襲い掛かってくる。
「殿!! ここは俺達に任せな!!」
「私と風雅殿、そしてセルベスト殿でここを押さえます!!」
「なので、先を急いでください!!」
風雅とガーネスト、そしてセルベストが押さえることになった。
それに頷くと、残った俺達はそのまま玉座へと向かって行く。




