第二十六話
「頑鉄さん、おはよう。」
「おぉ、殿か、おはよう。」
「銃は完成した?」
「おう、この通りよ!!」
頑鉄さんは銃こと『アサルトライフル』を渡してきた。
手に持つと、ずしっと重さを感じ、完璧な仕上がりに感心した。
「すごい!! 完璧だよ!! ありがとう!!」
「なに構わんよ。」
「出来れば、量産をしてほしいんだけど、出来るかな?」
俺の言葉に、頑鉄さんはにやりと笑う。
「問題ない!! 新しく入ってきたやつらもいるからな!! なぁ!! お前ら!!」
「「「「「おう!!」」」」
「ありがとう!! お礼は弾むからね!!」
鍛冶場を出て、俺は城へと戻って行った。
そして、広間に皆を集める。
「皆に集まって貰ったのは他でもない、フル―レスに進軍するためだ。」
俺の言葉に、皆息を飲む。
それそうだろう、こんな大戦は初めてだからだ。
「前にも言ったけど、俺達は死にに行くんじゃない、フル―レスの人たちの無念を晴らすためだ。」
「殿……。」
「いいか!! 生気て帰って、民を安心させるぞ!!」
「「「「「おぉ!!」」」」」
会議を解散し、皆は持ち場へと戻って行った。
俺も広間から出ようとすると、瑠莉奈が裾を掴んできた。
「瑠莉奈?」
「あなた……、私不安です……。」
その声は消えそうで、悲しい声だった。
「皆強いですけど、もしということがあるのではと……。」
「瑠莉奈……。」
泣きそうな瑠莉奈を、俺は抱きしめる。
「あなた……?」
「大丈夫、俺達は必ず帰ってくる。」
「でも……。」
「もし、無事に帰ってきたら、式を挙げよう。」
俺の言葉に、瑠莉奈は涙を流す。
「本当ですか? 約束ですよ?」
「勿論約束だ。」
こうして俺は、式を挙げる約束をした。
そして、6日後、エルバストのブレイアル王とセルベルスのジャローデス王が軍を率いて、ヒビキの国に来た。
「誠殿、この度は招待感謝する。」
「わらわもじゃ!!」
「こちらこそ、ありがとうございます。」
俺は二人を広間に通す。
そして、フル―レス進軍の会議を始める。
「まず、エルバスト軍は東側を、セルベルス軍は西側を進軍してもらいます。」
「ふむ成程、地図はあるかの?」
ジャローデス王が言うと、俺はガーネストに目配せをする。
ガーネストは頷き、地図を持ってきて広げる。
「これが、フル―レスの地図です。」
「成程、先ずは飛び道具で攻撃を仕掛けたほうがいいな。」
ブレイアル王の言葉に、俺達は頷く。
「わかった、エルバストからは大盾を献上しよう。」
「よし!! 我からは弓と矢を用意しよう!!」
「ありがとうございます、こちらからは銃を送ります。」
俺の言葉に、二人は首を傾げる。
「誠殿、銃とは何だろうか?」
「我も聞いたことはあるが、実物を見たことはないのでな。」
「そうですね、ではこちらに。」
俺は二人を訓練所へ案内する。
そこには、銃を構える兵の姿があった。
「狙え!! 撃て!!」
上官の声に合わせ、標準を狙い、引き金を引く。
木の的は粉々になる。
「これが銃こと、アサルトライフルです。」
「ふむ、成程な。」
「ほほう、見事なり。」
二人には好感触だ。
これなら、遠距離も大丈夫だろう。
「殿!! 頑鉄殿から銃が届きました!!」
「そうか、どのくらいかな?」
「銃が500丁!! 弾は50000発のこと!!:
兵士の言葉に、俺とブレイアル王は呆然とし、ジャローデス王は大笑いした。
「ハッハッハ!! ヒビキの職人はすごいのう!!」
「確かに、この短時間で沢山の武器を作るとは……。」
「あ、ありがとうございます、俺も想定外ですけどね。」
その後、城内を案内した。
一つ一つの部屋に、二人は感心していた。
「成程、これならば民も全員は入れて安全じゃな。」
「確かに、窓からは遠距離攻撃もできて、攻守完璧だな。」
「もしよければ、皆さん泊って行きませんか?」
俺の言葉に、二人は顔を合わせる。
「よいのか?」
「えぇ、客間はたくさんありますし、明日の進軍のことを考えると、ここから出発した方がよいかと。」
「それならば、泊まらせてもらう。」
こうして、両軍はヒビキの国に泊まることになった。
兵士たちは交流を深め、連携を高めた。
一方、フル―レスでは女王が不敵な笑みを浮かべていた。
「フフフ、愚かな国が三つ。」
「……油断しない方がいいと思うがな。」
「ヒビキの国も、エルバストも、セルベルスもすべては私の物!!」
ローブの音が忠告するも、女王の耳には届かなかった。
決戦は明日、はたしてどうなることか……。




