第二十四話
ジャローデス王の後に続き、俺達はレベルセル村へと向かっている。
俺は気になったことを、ジャローデス王に聞く。
「半竜族って、竜と人が結婚して生まれたのですか?」
「うむ、竜族と人族の間に生まれたのが、竜人族なのじゃ。」
「でも、どうして、村に? 一緒に暮らせばいいのでは?」
ガーネストの言葉に、ジャローデス王は悲しい顔をする。
「実は、先代の王が半竜族は呪われた子として、竜族と人族、そして半竜族を追い出してしまったのだ。」
「成程、革命を起こすためにセルベルスに、進軍するということですね。」
「我としては、皆同じ生き物なのだ、争っている暇ではないというのに……。」
ジャローデス王はどうにか、争いを止めようとしている。
俺達は、協力し進軍を止めることを決意したのだった。
「着いたぞ、ここがレベルセルじゃ。」
レベルセルに到着すると、ちょうど進軍をしようとする人たちが、入り口に集まっていた。
村長らしき男が、声をかけてくる。
「お主は、セルベルスの王だな!?」
「レベルセルの民たちよ!! どうか、我の話を聞いてはもらえぬか!!」
ジャローデス王の言葉に、レベルセルの人たちは武器を構える。
「いまさら何を!! 我らの革命は誰にも止められぬ!!」
「お願いだ!! 話を聞いてくれ!!」
何度も叫ぶも、ジャローデス王の言葉は届かない。
むしろ、反感を買っている。
「やばいですね、このままでは本当に進軍してしまいます……。」
ガーネストの言葉に、俺も冷や汗が出てしまう。
すると、一人の男が手を上げた。
「一つ提案があります。」
「『ベルセルド』!! 急に何を!?」
「このままでは、ただの押し問答、ならば決闘で決めましょう。」
ベルセルドという半竜族の男の提案に、レベルセルの人たちは武器を下げた。
どうやら、提案が通ったようだ。
「レベルセルからは私が出ます、そちらは誰が出ますか?」
「それは……。」
ジャローデス王は口を閉ざしてしまう。
話し合いで解決するために、兵を極力少なめにしていたのだった。
ベルセルドの威圧に、兵士たちは皆腰が引けていた。
「なら、俺が出る!!」
「と、殿!?」
「貴方は?」
「俺は如月誠、ヒビキの国の殿様だ!!」
俺はその言葉と共に、刀を抜く。
それを見たベルセルドも、盾と剣を抜く。
「行くぞ!!」
「参る!!」
刀と剣が鍔ぜり合う。
こっちが斬りかかれば、盾で防がれ、剣で斬りかかれば、刀で防ぐ。
「すごい、あのベルセルドと渡り合ってる……!!」
村の一人がそう呟く。
ベルセルドが斬りかかると、俺はスキルを発動する。
「スキル、見切り!!」
俺は見切りを発動して、避けようとした。
「スキル、『必中』!!」
しかし、避けた先に、ベルセルドの剣が迫ってきた。
俺はとっさに刀で防ぐ。
「嘘だろ!?」
「殿!! 必中はどんな攻撃も当たってしまいます!!」
ガーネストの言葉に、俺は仰天してしまう。
これじゃ、見切りは使えない……!!
「我が攻撃は、どんな物にも必中する!!」
「成程ね、なら打ち合うか!!」
再び、刀と剣がぶつかり合う。
お互いの体力も限界に近付いてきた。
「お互い、限界が近いな。」
「えぇ、ですが、これほど楽しいことはありません。」
ベルセルドがフッと笑うと、俺も笑顔になる。
そして、顔つきが変わり、ベルセルドは盾を投げ捨てた。
「我が奥義で、決着をつけます!!」
剣を掲げると、炎を纏い剣は巨大化する。
「奥義!!『龍神剣・煉獄切り』!!」
ベルセルドの奥義が、俺に襲い掛かってくる。
誰もが、終わった、そう感じただろう。
「だったら、お前の全力、受け止めてやる!!」
俺は刀に、それぞれ炎と水を纏わせる。
そして、龍神剣・煉獄切りに向かって刀を振るう。
「二刀抜刀術!!『大逆鱗』!!」
属性を纏わせ、力いっぱいに斬りかかる。
それが、二刀抜刀術・大逆鱗だ。
二つの技がぶつかり合い、砂煙を起こす。
「け、結果は……!?」
そこにあったのは、俺が刀を突き付けている光景だった。
つまり、俺の勝ちだ。
「そんな……、ベルセルドが負けるなんて……。」
ベルセルドの負を知ったレベルセルの人たちは、悲しみに満ちていた。
「負けですね。では、進軍は取りやめにしましょう。」
「では、話し合いを――」
「た、大変だぁ!!」
話し合いをしようとしたところに、村の人の一人が慌ててこっちへ来た。
「ど、どうしたのだ!?」
「か、火山が噴火して、溶岩が流れてくる!!」
「な、なんだって!?」
溶岩がこの村に流れてくるようだ。
村の人たちは、パニックになっている。
「ど、どうすれば!?」
「取り合えず、セルベルスに避難じゃ!! お前たちもだ!!」
「しかし……。」
「今は非難することを考えましょう。」
セルベルスに避難することをためらう村の人たちを、ベルセルドが指示を出す。
そして、村は溶岩に飲まれた。
しかし、犠牲者は奇跡的に誰も出なかった。
「あぁ、我らの村が……。」
「俺達、これからどうすればいいんだ……。」
項垂れる人たちに、ジャローデス王が声をかける。
「もしよしければ、我が国に住むというのはどうじゃろうか?」
ジャローデス王の言葉に、村の日の人たちは戸惑いを隠せない。
しかし、村長が首を振る。
「提案はありがたいのだが、我らを受け入れぬ者もおるじゃろう、また住める所を探すとしよう。」
「そうか……。」
村長が村の人たちを、連れて行こうとした時、俺はある提案をする。
「よかったら、うちの国に来る?」
「誠殿の国に、ですか?」
「うん、ちょうど、色んな所の人たちを受け入れているし、どうかな?」
俺の言葉に、ベルセルドと村長が頷き合う。
「では、世話になろうかの。」
「我らも、国の発展に協力しましょう。
「ありがとう!!」
こうして、レベルセルの人たちはヒビキの国の住民となることになった。
すると、ジャローデス王は大笑いする。
「ワッハッハ!! 誠よ見事なり!! 我らが国、セルベルスも同盟を組むとしよう!!」
「ありがとうございます!!」
ヒビキの国は竜族や半竜族の人たちが加わり、国の発展が広まり、セルベルスとの同盟を組むことに成功した。




