第十六話
エルバストの同盟から数日、城下町は賑わっていた。
他国からの輸入品に、皆、目を輝かせていた。
「おぉ、これがガラス玉ですか……。」
「こっちには、見たことがない魚がいるぜ。」
「おかあさーん! これ欲しーい!」
見たこともないものに、町の人たちは賑わっていた。
俺はその光景を、微笑みながら見守る。
「同盟は大成功だったな。」
「そうですね。」
瑠莉奈も俺と一緒に笑みを浮かべる。
俺は、思い出したようにステータスを開く。
名前:如月誠
力:30
防御:23
知力:25
速力:33
スキル『見切り』
『一刀居合術』
『一刀抜刀術』
『二刀居合術』
『二刀抜刀術』
『属性纏い』
ジョブ:殿様剣豪
となっていた。
「おぉ、何かすごいことになってる……。」
モンスターを倒したり、ヴァンパイアを討伐したからだろう。
ジョブも変わっていて、新たなるスキルも覚えていた。
俺と瑠莉奈は、城へと戻ることにした。
「人さらい?」
「そうだぁ。」
城に戻ると、数間が人さらいの報告をする。
どうやら、城下町では人さらいが発生しているらしい。
「何でも、女子供を狙っているみたいだぁ。」
「そうか……。」
人さらいか……。
これは、解決しないと危ないかも。
「とは言ってもな、こっちが動けば、バレるかもな。」
「そうですね、かえって危険かもしれません。」
風雅の言葉に柊が同意する。
「だが、放っておけば被害は広がるぞ。」
「どこかに売られる可能性もある。」
確かに、他国に売られてしまわれば、もっと大変なことになる。
でも、こっちから動けばバレる可能性も……。
「あの~。」
俺達が困っていると、穂香が手を上げる。
「囮を使うのはどうでしょうか~?」
「囮?」
「はい~、囮ならば、敵側も油断するのではないかと~。」
成程、囮を使えば相手のこともわかる。
しかし、誰を囮に使うかが問題だ。
桜と柊はいざというときの戦力だし、穂香は力強すぎでバレる可能せいもありえる。
他は男子だしな……。
瑠莉奈はお姫様だから、警戒される可能性もある。
「ではでは、こういうのはどうでしょうか?」
瑠莉奈の提案に、俺達は驚くしかなかった。
夜の城下町、明かりはなく少し冷えている。
ひと通りはなく、女性が一人歩いていた。
すると、黒い服を着た男たちが女性を捕らえる。
女性を捕らえると、そのまま馬車へと押し込まれる。
そして、馬車はそのまま出発した。
「うへへへ、今日もうまくいったな。」
男の一人が薄ら笑いを浮かべる。
仲間たちも、ニヤニヤと笑っている。
馬車は、薄暗い洞窟へと向かっていった。
洞窟内では牢屋があり、そこには沢山の女子供が囚われていた。
そこに、一人の女性が牢屋に入れられる。
「おとなしくしていろよ、でないと、わかるよな?」
男は斧をちらつかせる。
女性は、悲鳴も上げず、ただ黙っている。
男が去るの見届けると、女性は周りを見渡す。
女性と小さな子供たちが怯えている。
入れられた女性はこう言った。
「大丈夫、助けが来るよ」と。
「ここが、奴らのアジトか。」
俺達は、馬車を追いかけた流ノ介と水無月と合流する。
囮を使い、二人に馬車を追いかけてもらっていたのだった。
「どうする殿?」
「一気に乗り込もう!」
俺の言葉に、皆頷くとアジトに乗り込んだ。
「何だてめぇ!」
「邪魔。」
見張りに見つかったが、俺は速攻で斬り捨てる。
それに気づいた、仲間たちが襲い掛かってくるが、風雅が吹き飛ばす。
俺達は、アジトの奥へと進んでいく。
どうやら、助けが来たみたいだ。
女性は、囚われている人にそのことを言う。
その人たちは皆、喜んでいたり、泣いたりしていたいる。
洞窟の最終部に着くと、一人の大男とその仲間たちがいた。
「何だ!? お前らは!?」
「俺達は、此処にとらわれる人たちを助けにきた!」
俺が武器を構えると、皆も同じように構える。
「ガハハハハハ!!! 助けにきただぁ? 笑わせるな!!」
大男は自慢の斧を振り下ろす。
俺は、それを何とか避ける。
「どうした!? 避けてばかりじゃ、死んじまうぞぉ!?」
大男の挑発に乗らず、俺は避けることをやめない。
その隙に、皆は周りの敵たちを倒している。
「くそぅ! いい加減に死ねぇ!!」
大ぶりの攻撃を避けると、俺は大男の上に飛ぶ。
「お前がいい加減くたばれ!!」
俺は大男の頭目掛けて、鞘に入れた刀を叩きつける。
大音は避けるともできず、その攻撃を受ける。
そして、目を回しながら倒れたのだった。
「ふぃ~、何とかなった……。」
「殿、こちらも終わりました。」
「よし、囚われている人たちのところに行こう!」
俺の言葉に頷くと、牢屋へと張り出した。
牢屋に着くと、沢山の女性と子供たちが囚われていた。
風雅がカギを壊すと、一人の女性が出てくる。
「お疲れさんだったな『数間』。」
「本当だよ、こういうのは勘弁してほしいべ……。」
そう、その女性は、女装をした数間だったのだ。
瑠莉奈の作戦は、数間に女装をさせて囮になってもらうことだ。
「よし、後はエルバストの衛兵に全部任せよう。」
流ノ介を使いに出し、エルバストに後を任せることにた。
そして、夜が明け、囚われた人たちと共にヒビキへと戻る。
囚われていた人たちは、家族の再会に涙を流した。




