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第十話

「うあー……。」


宴の次の日、俺は二日酔いになっていた。

頭はガンガンずるし、気持ち悪い……。


「うぇ……。」

「殿ー、生きてるかー?」


吐きそうになっているところに、風雅が現れる。

風雅は、変わりないようだ。


「あー、風雅、分身覚えた?」

「何言ってんの?」


俺には、風雅が二人に見える。

大丈夫じゃないな、これ……。


「とりあえず、大間に行こうぜ。」


そう言いながら、風雅は俺を担ぎ上げる。

そして、そのまま大間に行くのだった。



大間に着くと、皆がそろっていた。

朝ごはんが並んでいるが、皆、手を付けていなかった。


「殿、おはようございます。」


「「「「「おはようございます。」」」」」


「うん、おはよー……。」


皆のあいさつに、俺は何とか応える。

フラフラな俺に、みんな心配しているが、大丈夫だと伝えておく。


「皆、食べてないの?」

「そうですね、あなたを待っていたので。」

「そうか、なら、俺がいなくても食べるように!」


俺の言葉に、皆が驚く。


「そんな、殿を待たずして食すのは……。」

「いいの! 殿様権限です! 決定!」


俺の権限に誰もが反論しなかった。

むしろ、しょうがないなという顔だ。


「そんなことは置いといて、食べようか!」


いただきまーす! その言葉に続いて皆もいただきますという。

そして食事が終わると、俺は気になっていることを聞くことにした。


「そういえば、アリネスとは仲が悪いのか?」


その言葉に、誰もが苦い顔をする。

あら、まずいことを聞いたかな……。


「そういえば、あなたはアリネスから、追放されたと聞きましたが。」

「そうそう、侍だからと言って出て行けと言われたからなぁ……。」


瑠莉奈は、何か考える様なしぐさをする。


「そうですね、まずは、ヒビキの国の話をしましょう。」

「そうですね、殿は異世界から来られたとか。」

「うん、クラスメイトと一緒に呼ばれた。」


桜の質問に、俺は答える。


「ヒビキの国は、他の国とは違う文化を持っています。」

「例えば、鎧が違うとか、食文化が違うとかな。」

「何か、日本と同じみたいだな……。」


俺は、故郷の日本を思い浮かべる。

いい思い出がないので、すぐにやめたけどね。


「日本という国は知りませんが、似ているのなら問題ないかと。」

「そうですね、ならば、アリネスの話をしましょうか。」


瑠莉奈は、ふぅ、とため息をつく。

他の皆も、ハァ、とため息をつく。


「そんなに嫌な国なのか?」

「まず、王が嫌っすね。」

「うん、私たちを田舎者呼ばわりした。」


成程、それは嫌になるな。


「おらは、王が自己中すぎると聞いたべ。」

「私も、己は悪くないと思っているらしいですよ。」

「私は、魔法使いではないことを悪く言われましてね。」


冬樹の顔が笑っていない、笑顔なのに笑ってない。

というか、あの王様、相当嫌われているな。


「あの国の民も、王を慕っているとかなんとか。」

「金でしょ。」


流ノ介の言葉に、皆が頷く。


「そういえばさ、俺のクラスメイトに、勇者と聖女がいるんだけど。」

「あらあら、それはそれは……。」


俺の言葉に、瑠莉奈が顔をしかめる。


「やっぱり、問題あり?」

「あの国は、勇者と聖女の伝説があるらしくて。」

「伝説?」


ヒビキの国ができる前、この世界は魔王に脅かされていた。

その時、勇者と聖女の二人が、魔王を倒し、世界を救ったという。


「その伝説が出てきたのが、アリネスなのです。」

「はぁ~、そんな伝説があるなんてなぁ。」

「それを盾にして、威張ってなければ出すけどね……。」


桜は、痛そうに頭を抱える。

他皆も同じなのか、頭を抱えたり、ため息をついてる。


「他の国も、成るべく関わらなないようにしてるっす。」

「でも~、あそこは、栄えていますからね~。」


アリネスは栄えているうえに、嫌われていることを自覚していないという。


「そういえば、殿のクラスメイトはどういう人たちですか?」

「一人除いて、クズばっか。」


冬樹の質問に、俺は即答する。

そして、これまでの経緯を話す。


「そんなことが……。」

「まじかよ……。」


これまでの経緯に、皆ドン引きしていた。


「俺の親もクズでね、独り立ちしてから縁を切ったけど。」

「あなた……。」

「まぁ、そんなこともあったけど、此処に来れたことがいいことかな。」


俺の言葉に、殿、と皆が呟く。


「とりあえず、アリネスとは関わらない、他の国と連携をとれるようにしよう。」

「そうですね、まずは『エルバスト』ですかね?」

「エルバスト?」


エルバスト、アリネスと同じく、伝説がある国。

しかし、威張ることはなく、民を大切にしているという。

冒険者の数も、アリネスより多い。


「成程、いざというときに、戦力で助け合う感じか。」

「そうです、エルバストなら我々の力になってくれるかと。」

「よし、なら、エルバストと同盟を結ぼう!」


俺の言葉に、皆、おぉ! と叫ぶ。

こうして、エルバストに向かうことが決定した。




エルバスト


「王よ、ヒビキから手紙が来ております。」

「ヒビキから?」


王と呼ばれた男が、手紙を見る。


『エルバストの王『ブレイアル』殿

 我らヒビキの国と同盟を結んでいただきたく、エルバストへと向かいます。

 何か問題があれば、ともに解決させていたただく所存で、ございます。

 瑠莉奈より』


「ヒビキ、新たなる殿と見つけたというが……。」

「王よ、ヒビキに手を借りることは……。」

「そうだな、力を借りるとしよう。」


どうやら、エルバストでは問題が起きているようだ。

それを知らずに、誠達はエルバストへと向かうのだった。

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