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剣才無き魔術師   作者: ZIKIRU
第1章 追放・入学試験編
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第1章 第7話 『嫌悪の目』


ダンジョン、それは世界各地に存在する魔物の巣窟。

種類も様々であり、その場所ごとで大きく姿を変える。

ダンジョンで得られる植物、鉱物、魔物の素材は冒険者たちの大きな収入源になっている。

そして、そのダンジョンと冒険者たちを管理し、ダンジョンで得られた素材の買取、販売を行っているのが冒険者ギルドだ。

このアシュリー魔法学校が所有するダンジョンもその一つである。

ここのダンジョンは全50階層まであり、現在、42階層まで探索が進んでいる。

そして、このダンジョンで毎年行われるのがアシュリー魔法学校の入学試験だ。




◇◇◇




リアムはダンジョンの1階層を探索していた。

このダンジョンは広い迷路のような洞窟になっていて、下に進むごとに2階層、3階層となっていき、現れる魔物も強くなる。今回の目的は1階層のクリアだ。

周りには同属性や別属性の受験生が探索しており、遠くからは魔物の声や魔法の衝撃音などが時々聞こえてくる。恐らく誰かが魔物と戦っているのだろう。

しばらく歩いていると魔物に遭遇した。ゴブリンだ。


「まあ、流石に1階層なら出てくるのはゴブリンかスケルトンくらいか…」


リアムは向かってくるゴブリンに手のひらを向け、魔力を込める。

集まった魔力はやがて、光の閃光と化す。


ー「ライトニングジャベリン」ー


放たれた光の閃光はゴブリンの鳩尾を貫通し、紫の血飛沫をあげる。

すると、その音を聞きつけたのか奥からもう2体が向かってきた。


「よし、今度は2匹まとめて……」

「ーーどいたどいた〜!」

「…ーーえ?」


ー「ファイヤーボール!」ー


《ドカーン!》


後ろから誰かの声が聞こえたと思った瞬間、リアムのすぐ隣を大きな火球が通り過ぎた。直後、目の前にいた2匹のゴブリンは大きな爆発音と共に吹っ飛んだ。

リアムが驚いて振り返ると、尖った赤色の髪に少し目つきの悪い青年が近づいてきていた。


「いや〜すまねえ。気づかなくてよ!」

「まあ、当たってはないからいいんだけど…」


ふと、リアムはその青年の右胸を見る。

(赤色の受験ピン…)

受験者全員にはそれぞれ属性に合った色のピンバッチが右胸についている。

どうやらこの青年は火属性の受験者のようだ。


「ああ、ごめんごめん!俺はリット・バーソン。お前は?」

「え…?」

「え、って、名前だよ!お前の名前!」

「リ、リアム…アルベール」

「は…?」


分かっていた。こんな反応をされることなど。

だから名前を言いたくなかったのだ。

リットの目は何かを嫌悪するような目に変わる。


「アルベールって、剣聖の家系じゃないか。なんだ?俺たち魔術師をバカにしに来たのか?なら帰ってくれ。お前らみたいな魔法を卑下する奴らは嫌いだ」

「ち、ちが…」

「いいよな剣士たちは。魔法なんて使えなくても魔道具さえ使えば俺たちより強くなれるんだから」

「だから、違うって!」

「何が違うだよ!俺たちがどれだけ頑張って魔法を極めても、結局お前ら剣士たちは俺たち魔術師を魔道具の魔力補充ができるタンクだと思っているくせに!」


反論できなかった。確かに剣士たちは魔術師を雇う時、魔法などは頼まず、ただ魔道具に魔力を補充するように言うだけだ。

それは魔術師に対しての侮辱とも言える行為。

だから魔術師たちは剣士たちを嫌うのだ。


「あ〜もう!気分が悪くなった。試験が終わったらさっさと家に帰るんだな!」

「……」


本当は自分もその立場であることを言いたかった。

だが、言葉が詰まり声が出なかった。

リアムは去っていくリットをただ見つめることしかできなかった。

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