第1章 第5話 『アシュリー魔法学校』
その学校は魔法を学び、研究し、深め合う場所だ。
約100年前に創立されたこの学校は、昔は多くの偉大な魔術師たちを輩出してきた。
だが、時代と共に魔術師の価値が薄れ、今では当時ほどの名声を誇ってはいない。
この学校を創立したのは約300年前、様々な魔法の発見に貢献したソフィア・アシュリーを祖とする魔法の名家、アシュリー家である。
だが、アシュリー家は300年前に滅ぼされたセフィロース王国の血が流れている一族でもあり、一部の地域や国民たちからは忌み嫌われている。
そんな学校にリアムは来ていた。
「よし!ついたぞ。アシュリー魔法学校!」
◇◇◇
100年以上も前に建てられたアシュリー魔法学校の外観は、学校と言うよりもはや一つの城のようだ。近くに建っている帝国の王城と比べても大差無いほどに。
リアムはその高く聳え立つ校舎を見上げていた。
「最初、家を追放された時はどうしようかと思っていたけど…。この学校なら誰にもバカにされず、魔法を学べるんだ!よし、頑張るぞ!」
リアムは緊張で高鳴る胸を抑え、校門を潜ったのだった。
学校の中央は開けた芝生になっており、それを囲むように校舎が建っている。
校舎の4つの角にはそれぞれ塔が建っており、火風の塔、氷水の塔、無地の塔、光闇の塔、と名付けられている。
火風の塔:火属性と風属性の魔法を学べる塔
氷水の塔:水属性と氷属性の魔法を学べる塔
無地の塔:無属性と土属性の魔法を学べる塔
光闇の塔:光属性と闇属性の魔法を学べる塔
と、2属性ずつに分けられた作りになっている。
リアムは中央の開けた芝生に立っていた。周りにはリアムと同じ年頃の男女が大勢いる。
そして、この集まっているみんなは同じ目的の為にいる。
少しすると設営された台に一人の男が立った。
その男は金色の刺繍が施された黒いローブを着ており、淡い金色の長い髪が特徴的だ。年は20代後半だろうか、かなり若々しい。男が話し出す。
「どうも、アシュリー魔法学校に入学希望の皆さん。私の名前はレイン・フィラメント。この学校で光属性の教師をしている者だ。さて、君たちがここに集まった目的はもう知っているな?」
その言葉を聞いた瞬間、みんなの目が険しくなる。
中には緊張をほぐそうと深呼吸をしている者もいる。
そう、このアシュリー魔法学校は全員が入学できるわけではない。
入学する為にはある目的を果たさなくてはならないのだ。それが…
ー「では、これよりーー“入学試験”を開始する!」ー
◇◇◇
ーー数時間前、アシュリー魔法学校の校長室にて
「校長、これが今回の入学希望者です」
「ええ、ありがとう。下がっていいわよ」
「…失礼致します」
束になった書類を一枚一枚確認する女がいた。
その女は先が尖り、縁の大きい帽子を被っている。
そして、女は何かを見つけたのか書類をめくる手を止めた。
「…あら、今年は面白い希望者もいるわね」
女はその書類を見て微笑むのだった。




