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剣才無き魔術師   作者: ZIKIRU
第2章 ダンジョン編
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第2章 第8話 『金色の眼光』

ーーダンジョン3階層



ー「ライトニングジャベリン」ー

ー「ファイヤーボール」ー


業火の火球と光の閃光が洞窟内を飛び交う。

リアムとリットはオーク狩りをしていた。

オークの素材は低階層で取れるものの中ではかなり高く売れる。

なので見つけたらついつい狩ってしまうのだ。


「ふー、結構倒したんじゃないか?」

「そうだな。もう素材袋もパンパンだし…そろそろ帰るかな」

「今、何時くらいなんだ?」


リアムは懐から懐中時計を取り出す。

ちなみにこの懐中時計も魔道具の一つだ。時間を正確に刻んでくれる。

この時計を見る度、リアムは魔道具の普及率の高さを改めて感じるのだ。


「えっと、もうすぐ18時を回る頃だね」

「おお、まじか!?結構潜ってたんだな俺たち」

「ダンジョンに潜り始めたのがもう3時間前か…確かにかなり経ってるね」

「じゃ、帰って早く素材売ろうぜ」

「そうだな」


二人が背を向け、帰ろうと足を動かし始めたそのときだった。


《グルルルルル……》


どこからか魔物の声が聞こえた。

二人は辺りを見回したが、あらかた倒したからか魔物は見当たらない。


「なあ、今の鳴き声って…」

「オーク、だよな…? でも、オークってもっと凶暴な声じゃなかったか?」

「そうだよな。なんだかオークにしては大人しいような…」

「……見に行ってみるか?」

「そうだな。最後にそのオークだけ狩って帰ろう」


二人はその声がした方向に歩き出した。

しばらく歩いているとそのオークらしき影が見えてきた。

だが、そのオークの隣には“純白のローブ”を着た人が立っていた。

その背丈からして男だろうか?体は少し細身で顔はフードで隠れている。


「ちぇ、別の冒険者が先に取ってたか…」

「でもリット、なんだかおかしくないか?あのオーク…?」

「確かに、すぐ隣に人がいるってんに襲いもしない。どういうことだ?」

「ちょっと俺、あの人に話聞いてくる」


リアムはその純白のローブを着た男に近づいた。

だが、やはり顔はフードをかぶっているせいで見えない。


「あの、そのオークがどうかしましたか?」

「ん〜?あれ、あれれ?まさか()がくるとは僕も予想外だったよ!」

「え、僕のこと知ってるんですか?」

「それはもちろん。だって君はーー」


《ーーグオォォォォォォ!》


「こらこら、今僕が話してるだろ?」


男は隣にいるオークを撫でた。まるで自分のペットを撫でるかのように。

その隠れた顔の影からは金色に輝く目が不気味に光っている。

そして男はリアムの方を見て不敵に笑った。


「んー、これは『借り物』なんだけど…まあ、いいか」

「あの、一体何を…?」

「じゃ、死なないでくれよ?」

「…え?」


ー《グオォォォォォォ!》ー


いきなりさっきまで大人しかったオークがリアムの前に立ちはだかる。

だが、そのオークは明らかに普通のオークとは違い、禍々しいオーラを放っている。

あのバケモノほどではないが、明らかにこの階層に居ていいレベルではない。


「いいかい、さっきも言ったけど()()()()()ね〜」

「下がれ!リアム!」


リアムはリットの元まで下がった。

純白のローブを着た男はいつの間にか姿を消していた。


「お前、一体何があったんだよ!?」

「わからない!俺にも何がなんだか…でも…」

「ああ、そうだな…」


ー《グオォォォォォォ!》ー


「今はとにかく、このオークもどきをどうにかしないと」

「しゃ、リベンジマッチと行こうかっ!」


ー《グオォォォォォォ!》ー


二人は戦闘体制を取るのだった。

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