第2章 第6話 『冒険者登録』
アシュリー魔法学校の冒険の棟。そこに位置する冒険者ギルドはいつも多くの人でごった返している。
リアムとリットはその人々の多さに圧倒されていた。
「と、とりあえず受付に行こうか…」
「…そうだな」
冒険者として稼ぐには冒険者ギルドでの登録・承認が必要となる。
その審査を受けることでギルドカードが授与され、クエストを受けることができる。二人はそのために受付に来たのだ。
「ーーありがとうございました。では、次の方」
「あ、はい。冒険者登録をしたいのですが」
「かしこまりました。登録されるのは後ろの方もご一緒ですか?」
受付嬢は後ろに並んでいたリットを指した。
「はい、そうです。よくわかりましたね」
「魔法学校のローブを着ていたので。新年度になると多いんですよ」
「へー、そうなんですか。では2人の登録をお願いしてもいいですか?」
「かしこまりました。では、こちらの紙に諸々をご記入ください」
二人は登録するための紙を貰った。
記入欄には名前、役職、など様々な記入項目があった。
「これって、家名は書かなくていいんですか?」
「ええ、構いませんが万が一の時にご家族への連絡がいかなくなりますよ?」
「ええ、大丈夫です」
リアムも流石にこんな公の面前でアルベールの家名を書きたくは無かったのだ。
それに、リアムはそもそも貴族である自分をあまり好んではいなかった。
できれば、誰とでも分け隔てなく接したいと思っている。
「よし、書けたぜ」
「お、書けたのか。って、リット、お前家名は?」
「お前が書かないなら俺も書かない。それくらいはするさ」
「……ごめんな」
「謝るな。俺が欲しいのは謝罪じゃなくて感謝だ」
「……ありがとうリット。じゃあ、出そうか」
「おうよ!」
二人は登録書を受付嬢に渡した。
受付嬢はそれを確認し、一度奥に行ってから戻ってきた。
「はい、こちらがリアム様、そしてリット様のギルドカードでございます。最初はFランクからのスタートとなります。ダンジョンの1〜5階層まで探索可能です」
「ありがとうございます。あの、ランクって?」
「はい、冒険者にはランク制度があり、F〜Aまでこざいます。Fから順にランクが上がるに連れ、受けられるクエストの範囲が広がり、より高難度のものを受けることができます」
「なるほど、ありがとうございます」
「はい。ではまたのご利用をお待ちしております」
二人はギルドカードを手に受付を離れた。
しばらく話しているとどこからか聞いたことのある声がした。
「あ〜!やっと見つけたー!リアムく〜ん!」
「え?、フラン!?なんでここに?」
声をかけてきたのはフランだった。
隣のリットは赤面して動けなくなっている。
「いや〜探したんだよ。まだ帰っていなくてよかった〜」
「どうしたんだよ?彼氏を待ってたんじゃないのか?」
「いや、今は待ってもらってるの。リアムくんにこれを返そうと思って」
フランは一冊のノートを取り出した。
「ああ、俺のノートか。役には立てたか?」
「うん!とってもわかりやすかったよ!ありがとう!」
「それはよかった」
「あれ?あー!さっきリアムくんを呼びにきた子だ。お友達?」
「あ、ど、どうも…」
いつも威勢のいいリットが嘘のように静かである。
多分緊張しているのであろう。
「じゃ、彼氏待たせてるからごめんね。じゃーね!」
「おう、またな」
フランはそそくさと帰って行った。
「はあ〜、き、緊張したー」
「お前、話せもしなきゃ恋どころじゃないぞ…」
「わ、わかってるよ…。ほら、俺たちは早くダンジョン行こうぜ!」
「そうだな。行くか!」
二人はダンジョンに向かって歩き始めたのだった。
今回はレインとフランの挿絵を描いてみました。




